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学会大会

第28回環境社会学会セミナー(京都)開催のお知らせ

By 2003年10月12日12月 24th, 2021No Comments

日 時:2003年12月14日(日) 9:30~17:00(9時受付開始)
場 所:京都精華大学・黎明館
   http://www.kyoto-seika.ac.jp/annai/index.htm
*場所がキャンパスプラザ京都から京都精華大学に変更になりました!ご注意ください。
プログラム:
午前: 自由報告
午後: シンポジウム 
     「河川行政の転換と地域社会-今、改めて公共性を問い直す-」
      パネラー:姫野雅義(吉野川みんなの会代表)
            宮本博司(国土交通省淀川河川事務所所長)
            嘉田由紀子(淀川流域委員会委員、環境社会学会)
      司  会:田中 滋(環境社会学会)
参加費:1000円
参加申し込みは不要です。当日直接会場にてお支払いください。
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●自由報告要旨集の表紙はこちら、要旨集本体はこちらをご覧ください(pdf形式です)。
●自由報告のプログラムははこちらをご覧ください。
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●シンポジウム趣旨
「河川行政の転換と地域社会-今、改めて公共性を問い直す-」
 環境関係の法律が1990年代後半にいくつか改正されたが、その中でも、河川法改正(平成9年)は、河川や湖沼の管理主体の性格や公共事業のあり方に大きく影響をあたえつつある。特に[河川環境の整備と保全][関係住民の意見の反映]が法律に明記されたが、これは日本の近代化の中で、明治29年に治水目的に河川法がつくられ、昭和39年には高度経済成長のための利水目的がはいり、水管理の中央集権化が強められてきた河川行政の中でも大きな転換点である。
 法律改正と並行して、現場の河川問題も流動化している。たとえば四国・吉野川の可動堰問題では、国の計画に対して、流域住民自身が治水を含む流域管理の提言を作成しはじめた。九州の川辺川ダム問題も、地元での賛否の中で本体工事は停止状態にある。淀川流域では、国土交通省自身が淀川流域委員会を組織し、環境保全、治水理念の転換、住民参画を目指した河川整備計画作成のための提言を求めてきた。流域委員会では、[原則的にダムを建設しない]という[提言]を2003年1月に提案し、かつて計画されたダムの[検討]がすすみつつある。
 しかしダム計画の現場では、長い呻吟の時代を経て、地元としてダム建設を合意し、水没予定地の集落移転も完了してしまった段階で、[今さらダムはいらない]というのは、公共的な約束違反として[ダム建設推進]の動きも高まっている。特に地元が強調するのは[治水]目的である。ここには、地元地域社会と行政(自治体・国)、専門家の間での判断のずれがみられ、そこに[ねじれ現象]が生じている。さらにすでにうごきはじめてしまったダム建設の費用分担問題も、利水需要者が撤退する中で、新たな枠組みが求められている。
 これまで環境社会学会では、公共空間としての河川や森林などの所有や利用、管理主体のあり方と環境保全、地域社会のかかわりなどを歴史的観点や政策論を含めて論じてきた。今改めて河川と地域社会・環境保全のあり方を、住民・行政・専門家の間で議論することは、公共性の意味を社会的に模索する環境社会学研究の中でもひとつの重要な示唆を得られるものと思われる。
 そこで、このシンポジウムでは、吉野川可動堰問題での住民投票を実現し、住民主体の流域管理計画をすすめる[吉野川みんなの会]の姫野雅義さん、国土交通省での政策転換をめざす官僚の方、それに、環境社会学会で河川政策研究にかかわってきた人たちに加わり、発表と討議という企画を提案します。具体的な論点は、参加者が確定した段階で、再度提案をしたいと思います。
(シンポジウム担当:嘉田由紀子)
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【第28回セミナー事務局】
 西城戸誠(事務局長)、嘉田由紀子(シンポジウム)、古川 彰(自由報告)
 問い合わせ先:〒612-8522 京都市伏見区深草藤森町1 京都教育大学 西城戸誠
        TEL 075-644-8215、E-mail makoton@kyokyo-u.ac.jp