環境社会学会編集委員会では、初の試みとして『環境社会学研究』特集論文の公募を行います。下記をご覧いただき、奮ってご応募ください。
特集論文テーマ:
「人と自然のインタラクション――動植物の共在から考える」
近年の日本の環境問題は、自然利用のアンダーユースに焦点があたっており、人が自然に立ち入らなくなったことが原因だと言われています。たとえば、農山村だけでなく都市でも騒動になっている獣害問題は、産業構造の転換により、人間の自然資源への無関心から“荒れたヤマ”になったことが一因だと言われています。そんな荒れたヤマを新たな棲みかとする野生生物は、自分たちに関心を示さない人間を恐れるどころか、人間を威嚇して自分たちの活動範囲を広げています。
そういった意味で、言説のレベルでは「環境への関心」が自明視されている一方で、実際の人と自然の距離は、かつてに比べて疎遠になっていたり、どことなく不適切であったりするのではないでしょうか。そのような視点で食の現場を眺めてみますと、われわれの日々の食卓には、超合理的なブロイラーや植物工場で生産された食品が並んでいます。現代に生きるわれわれは、徹底的にムダを排除する「商品」としての食を提供するために、惜しげもなく最先端の科学技術を注ぎ込んで、いびつなかたちで自然と向き合っていると言えるでしょう。はたして今の人と自然のインタラクションはどうなっているのでしょうか。また、これからの人と自然のインタラクションは、どうあるべきなのでしょうか。
そこでヒントになるのが、環境社会学におけるコモンズ論、半栽培論、マイナーサブシステンス論です。というのも、これらの議論では、開発行為がなされようとする場所に、人と自然の豊かなインタラクションがあることを見出してきたからです。ここでいう豊かなインタラクションとは、ただたんに頻度の問題だけでなく、動植物との駆け引きであったり、放置しながら見守ったりといった“押したり引いたり”する密度をも問題にしています。
以上の背景や議論の流れをふまえて、学会では第54回環境社会学会大会にてシンポジウムを企画したのですが、これに引き続き『環境社会学研究』第23号でも、このときの登壇者の発表内容に加えて、人と動植物のインタラクションに新たな光をあてる、独創的な論考を公募いたします。会員の皆様におかれましては、奮ってご投稿いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
投稿を希望される方は、まず2017年4月15日(土)までに、電子メールで編集委員会宛(editional_office〔アットマーク〕jaes.jp)まで、エントリーしてください。その際、①論文題目(副題も含む)、②400字程度の要約、③著者全員の所属、④著者全員の所属、⑤筆頭著者の連絡先(住所、電話番号、電子メールアドレス)を記載してください。
エントリーした上で、環境社会学会HPに記載されている投稿規定・執筆要項を熟読し、書式見本例を必ず参照のうえ、2017年6月30日(金)までに、電子メールで編集委員会宛(editional_office〔アットマーク〕jaes.jp)まで送付してください。①論文題目(副題も含む)、②著者全員の所属、③著者全員の所属、④筆頭著者の連絡先(住所、電話番号、電子メールアドレス)を記載してください(①から③には英語表記も添えること)。また、編集作業の円滑化のため、学会HP記載の原稿フォーマットを用いて原稿を作成してください。
問合せ先:環境社会学会編集委員会事務局
京都教育大学社会学教室 土屋雄一郎
E-mail:yuichiro〔アットマーク〕kyokyo-u.ac.jp