■第59回環境社会学会大会(6月8・9日 明治学院大学)のお知らせ[詳報]■
■開催概要
【日 時】2019年6月8日(土)~9日(日)
【場 所】明治学院大学白金キャンパス 2号館
(東京都港区白金台1-2-37)
https://www.meijigakuin.ac.jp/access/
【参加費】一般 2000円、院生学生 1000円
【懇親会】6月8日 18:00〜学内パレットゾーン1階
参加費 4000円(受付時にお支払いください)
■大会スケジュール
6月8日 13:00 受付開始
13:30~16:00 企画セッション[Part.1]
16:15~17:45 総会
18:00〜20:00 懇親会
6月9日 09:30~13:10 自由報告
14:00~16:30 企画セッション[Part.2]
■大会プログラム
【全体スケジュール】
<6月8日(土)>
13:00 受付開始
13:30-16:00 企画セッション[Part.1]
「人びとのコミュニティを考える」 【2301教室】
「実験科学としての環境社会学」 【2302教室】
16:15-17:45 総会 【2301教室】
18:00-20:00 懇親会 【パレットゾーン1階・食堂】
<6月9日(日)>
9:30-13:10 自由報告
部会A 「サスティナビリティの環境社会学」 【2201教室】
部会B 「環境をめぐる合意形成と地域づくり」 【2202教室】
部会C 「公害の加害-被害構造と復興に向けた実践」 【2301教室】
14:00-16:30 企画セッション[Part.2]
「野生動物と人の森林環境史:
森林を衰退させる鳥・カワウと人はいかに関わってきたか―」 【2301教室】
「震災をめぐる暮らしの連続性/断絶と環境社会学のまなざし」 【2201教室】
「『社会制御過程の社会学』の環境社会学への示唆」 【2202教室】
【自由報告部会プログラム】
<6月9日(日)>
9:30-13:10
<部会A>「サスティナビリティの環境社会学」【2201教室】
司会 長谷川公一(東北大学)
[A-1] 「SDGsによる社会変革における環境社会学の役割」
井上真(早稲田大学)
[A-2] 「Sustainability Transitionと環境社会学の研究関心の比較
:現状認識と対応策に着目して」
太田和彦(総合地球環境学研究所)
[A-3] ”Current Status and Issues of International Organizations
on Climate Change and Human Mobility”
チョン ヨジュ(東北大学大学院)
[A-4] 「持続可能な食消費という『実践』の成立条件の検討
:生活クラブ滋賀へのインタビュー調査をもとに」
藤原なつみ(名古屋大学大学院)
[A-5] 「若者のライフスタイルに関するフォーカス・グループ・インタビュー
:横浜の大学生調査」
吉田綾、青柳みどり(国立環境研究所)
<部会B>「環境をめぐる合意形成と地域づくり」【2202教室】
司会 荒川康(大正大学)
[B-1] 「社会運動の遺産はどのように相続されたのか
:台湾における反原子力運動の新たな担い手たちを着目して」
陳威志(一橋大学大学院)
[B-2] 「浜岡原発の再稼働と地元合意についての県民意識」
辰巳智行、中澤高師(静岡大学)
[B-3] 「脱原発による経済的インパクトと立地地域の受け止め方
:台湾第一原発を事例に」
王黛茜(名古屋大学大学院)
[B-4] 「福島県南会津郡檜枝岐村の事例にみる地域づくり」
笹川貴吏子(立教大学大学院)
[B-5] 「身近な自然環境への働きかけを取り戻すしくみづくり:奄美市打田原
集落における集落事業の展開と自然資源の管理体制の再構築」
金城達也(日本学術振興会/東京大学)、寺林暁良(北星学園大学)
<部会C> 「公害の加害-被害構造と復興に向けた実践」【2301教室】
司会 寺田良一(明治大学)
松井理恵(跡見学園女子大学)
[C-1] 「公害対策による見えざるアニシナベ先住民への同化政策」
森下直紀(和光大学)
[C-2] 「水俣病歴史年表から解読できること」
外岡豊(埼玉大学名誉教授)
[C-3] 「胎児性水俣病患者の社会的環境に関する研究:
ヒアリングデータの分析より」
原田利恵(国立水俣病総合研究センター)
[C-4] 「水俣『もやい直し』の現代的意義を再考する:
『認知資本主義』論を手がかりとして」
除本理史(大阪市立大学)
[C-5] 「公害資料館の可能性と課題」
林美帆(公害地域再生センター)、清水万由子(龍谷大学)
[C-6] 「『終わらない公害』問題へのアプローチ:
水俣病とカネミ油症をめぐる現状から考える」
松村正治(恵泉女学園大学)
【企画セッションPart.1 プログラム】
6月8日
13:30〜16:00 企画セッション[Part.1]
【企画セッション】人びとのコミュニティを考える(企画者:宮内泰介)【2301教室】
趣旨:東日本大震災はコミュニティの再編を余儀なくしたが、その過程においては、
コミュニティティの重要性が再認識されると同時に、人びとにとってのコミュニティが
多義的・多層的であることもあらためて浮き彫りにされた。一方、政策上では、
「コミュニティ」重視、「コミュニティ・ベースト(community-based)」はグローバル・
スタンダードにまでなった。しかし一方で、何でも「コミュニティ」に押しつけることの
当否やコミュニティ概念の拡散、あるいは逆にコミュニティ概念のシンプリフィケーション
も問われている。人びとにとってコミュニティとはいったい何なのだろうか?何が人びとに
とってのコミュニティなのだろうか?
本セッションでは、扱う「コミュニティ」の範囲をいったん、顔の見える関係と一定程度
の共同行為を有するローカルなコミュニティ群に限定した上で、農村部・都市部双方の
事例から、人びとにとってのコミュニティの多面的な意味、コミュニティ政策のあり方を
考える。そこから、日常的実践としてのコミュニティ、プロセスとしてのコミュニティ
といった理論的なフレームワークの可能性をさぐり、さらに政策的な含意も考えたい。
もっともこれらはたいへん大きなテーマであるので、本セッションはその問題群の整理
までを目指したい。
報告者氏名・所属:宮内泰介(北海道大学)
平井太郎(弘前大学)
船戸修一(静岡文化芸術大学)
飯嶋秀治(九州大学)(コメンテーター)
【企画セッション】実験科学としての環境社会学(企画者:丸山康司)【2302教室】
趣旨:本セッションの目的は現実の問題解決に資する研究のあり方を明らかに
することである。環境問題には事実認識の不確実性や不確定性といった問題
が不可避である一方で、持続可能性を担保するためにはなんらかの構造変革
が必要とされることもある。このため不完全な情報に基づきつつもパターナリズム
や専門知を排除しきれないという問題を抱えている。
SDGsに象徴されるバックキャスティングの問題解決はこのジレンマに対応
しようとしているものであり、なんらかの望ましさを想定した上で、具体的に
目標を設定し、非強制的な手法を勧めようとしている。こうした問題解決シナリオ
に対応し、参加型アクションリサーチのような実験的な手法が試行されている。
本セッションではこうした取り組みを実験科学と見なした上で、必要とされる
学問的手続きのあり方や研究倫理について議論したい。実験科学的手法は
環境問題をめぐるローカルな社会的コンテクストとグローバルな課題を整合させる
上で必要ではあるものの、現場となる社会に対する迷惑や研究者の責任といった
新たな課題も存在する。これらを踏まえた上で、「成功」や「失敗」の定義と検証
方法、あるいは研究実践とステークホルダの利害に関連した研究倫理上の問題
など、様々な課題を洗い出しつつ、実験科学的な方法論を確立する契機としたい。
(1)「メディエーターのジレンマ」
報告者氏名・所属: 古屋 将太(認定NPO法人環境エネルギー政策研究所)
(2)「環境活動の順応的プロセスデザインに向けて:
環境活動の『見える化』ツールの試み」
報告者氏名・所属: 菊地 直樹(金沢大学)
(3)「市民調査に取り組むまちづくり推進会議の可能性:
設計科学としての実践コミュニティづくり」
報告者氏名・所属:王 智弘(総合地球環境学研究所)
熊澤 輝一(総合地球環境学研究所)
木村 道徳(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター)
(4)「環境社会学の実験手法としてのミニ・パブリックス」
報告者氏名・所属:三上直之(北海道大学)
(5)「事業のデザインから場のデザインへ:
自然再生協議会小委員会の経験から」
報告者氏名・所属:高崎優子(日本学術振興会)
【企画セッションPart.2 プログラム】
6月9日
14:00〜16:30 企画セッション[Part.2]
【企画セッション】野生動物と人の森林環境史:森林を衰退させる鳥・カワウと人は
いかに関わってきたか(企画者:牧野厚史)【2301教室】
趣旨:鳥獣害対策等の専門家ではない、ごく普通の人々が野生動物と関わり
続けることにはどのような環境的意味があるのだろうか。この企画セッション
では、森林を衰退させる鳥・カワウと人との、社寺林や里山での歴史的な関係
の持ち方を事例としてこの点を考えたい。
現代日本では、野生動物管理の公共事業化の流れが定着し始めている。
公共事業化には、もちろんプラスの面がある。野生動物との関わり方への判断
の軸足を専門家に置くことで迅速な意思決定が可能になるし、得た経験を
一般化しやすくもなる。また、被害の問題では、プロフェッショナルな技量を
持つ専門家が参加することで捕獲効率向上も見込めるだろう。その一方で、
長期間にわたり周囲の自然と関わってきた生活者たちの、多様な実践と効率性
重視のスマートな野生動物管理との折り合いの付け方が重要性を増すと予想
される。
本セッションでは、ごく普通の人々と野生動物との持続的な関係が、自然と
人々の双方に何をもたらしたのかを振り返る。カワウと関わる人間たちの存在が
森林と社会に与えたインパクトを、実態的、ケース的に示し、論点を提起する
ところまでを目標とする。そうすることで、自然と関わってきた人々の、試行錯誤
をも含めた経験に関する研究の重要性についての議論を深めることにしたい。
報告者氏名・所属:牧野厚史(熊本大学 環境社会学)
前迫ゆり(大阪産業大学 森林生態学)
亀田佳代子(琵琶湖博物館 鳥類生態学)
藤井弘章(近畿大学 歴史民俗学)
【企画セッション】「震災をめぐる暮らしの連続性/断絶と環境社会学のまなざし」
(企画者:黒田暁)【2201教室】
趣旨:これまで環境社会学会震災・原発事故問題特別委員会では、東日本大震災
以降の圧倒される現実と、頻発する大規模災害を前にしながらも、環境社会学の
まなざしが、東日本大震災後の社会の分析においていかに受け継がれ、展開されて
きているのか、さらに新たな研究課題がどのように生み出されているのか、現場で
どのような実践ができるのか、という問いを発信し、議論を重ねてきた。
本企画セッションでは、委員会第4期(2017〜2018年度)の総括として、震災の発生
から8年が経過した現在の文脈から、東日本大震災ならびに原発事故問題によって、
各地の暮らしの現場で何が断ち切られ、どのような「被害」が発生したのか、その一方
でにもかかわらず営まれ、維持されようとしているものは何なのかということを、委員会
委員の報告3本から検討してみたい。具体的には、
「原発事故と自然資源利用」(金子委員)
「原発事故被災地における被害の諸相と地域再生の課題」(高木委員)
「ポスト3.11における再稼働問題と『原子力防災計画』の矛盾」(原口委員)
という報告者3名から、それぞれの調査研究の報告に加えて、「今後の環境社会学の
震災研究の可能性と課題」についての展望を絡めた話題提供をいただく。それに対して
フロアーの委員会委員も何らかの応答を行い、最後にフロアー全体で総合的な検討を
行う、というラウンドテーブル的な趣向を想定している。
【企画セッション】『社会制御過程の社会学』の環境社会学への示唆
(企画者:湯浅陽一;茅野恒秀)【2202教室】
趣旨:2014年に急逝した舩橋晴俊氏の「未完の大著」であった『社会制御過程の
社会学』(東信堂)が2018年8月に刊行された。このセッションは、同書を基点とした
報告とディスカッションを通じて、同書の成果と意義を確認し、環境社会学のあり方
や今後の研究戦略の構築に向けた示唆を得ることを目的とする。
『社会制御過程の社会学』は、舩橋氏が独自に構築した社会学原理論と基礎理論
の上に、広く社会問題や政策的課題の解決を志向している。同書の主題は単なる
環境社会学を超える射程と意義を有することは間違いない。しかし、その基盤をなす
舩橋氏の実証研究はもっぱら環境問題の社会学の領域において展開されている。
氏が築いた環境社会学の研究戦略や実証を通した理論形成の構えの継承と、体系的
な発展の土台づくりにつながることができればと考えている。
報告者氏名・所属:湯浅陽一(関東学院大学)
茅野恒秀(信州大学)
コメンテーター:池田寛二(法政大学)、熊本博之(明星大学)
■大会要旨集について
今大会では開催校による要旨集の印刷はおこなわず、学会ホームページからダウンロード
していただくことになりました。ダウンロードは6月1日から可能です。
■昼食について
8日(土)は、学食が開いております(13時半まで)
9日(日)は、学内の食堂が開いておりません。
近隣にコンビニがあり、徒歩10分程度に数軒の飲食店があります。
(以下のランチマップPDFファイルをご参照ください)。
MG_Lunchmap
■託児について
学内での託児サービスは予定しておりません。
また、近隣の民間一時託児は比較的高額で、週末は混雑しますので、
学会の託児補助をご利用の際はご留意ください。
また、今大会でも、お子様連れでの参加は可能です。
【開催校連絡先】
藤川 賢(明治学院大学)
fujikawa〔アットマーク〕soc.meijigakuin.ac.jp