第70回環境社会学会大会を11月23日(土)〜24日(日)に沖縄県立看護大学にて開催します。多数の参加をお待ちしております。
目次
大会概要
- 日時 2024年11月23日(土)〜24日(日)
- 会場 沖縄県立看護大学(https://www.okinawa-nurs.ac.jp/access/)
※那覇空港からはモノレールとバスを使えば40分程度、タクシーで30分程度です。 - 11月23日(祝・土)
12:30~15:00 自由報告・実践報告 ※対面のみ
15:30~18:30 シンポジウム「環境社会学から問う島嶼の軍事化-沖縄、グアム、マーシャル諸島」 ※オンライン配信とのハイブリッド開催 - 11月24日(日)
8:50~15:30 エクスカーション「沖縄本島中部の軍事基地周辺と地域社会」
参加費
▼現地会場参加者(正会員・学生会員・非会員とも)
・自由報告・実践報告・シンポジウム:1000円
・シンポジウムのみ:500円
※事前参加申込は不要です。また、支払は当日現金のみとなります。釣り銭のないようご準備ください。
▼オンライン参加者(会員限定)
・シンポジウムのみ:無料
※オンライン配信はシンポジウムのみとなります。また、オンライン参加者は、シンポジウムでは原則として発言はできません。チャットでの質問や発言については通信環境などを検討中につき、追ってお知らせします。
※会員限定のため、シンポジウムのZoomアドレスは環境社会学会メールマガジンにてご案内いたします。
エクスカーション「沖縄本島中部の軍事基地周辺と地域社会」
2024年11月24日(日) 08:50沖縄県庁前集合、15:30那覇空港解散
08:50 沖縄県庁前「県民広場」集合
09:00 出発
09:40 嘉数高台公園
10:30 上大謝名さくら公園(普天間基地に隣接する公園)
11:30 道の駅かでな:嘉手納基地
13:20 砂辺地区
14:00 アメリカンビレッジ
15:30 那覇空港で解散
平和学習ガイドの案内で、嘉数高台公園、道の駅かでな、アメリカンビレッジなどを訪問し、沖縄戦と米軍基地問題のつながり、生活のなかにある米軍基地、基地返還後の開発の実際を深く学ぶことのできるエクスカーションを計画しています。集合は国際通りの南端にある沖縄県庁前広場です。那覇空港で解散します。みなさまのご参加を心よりお待ちしております。
※時間の都合で、辺野古など名護市には行けませんのでご留意ください
※エクスカーション参加費:12,500円(23日の会場受付にて現金にて徴収します。釣り銭のないようご準備ください)
まだ定員には達しておりませんので、参加を希望される方は以下のフォームからお申し込み下さい。
・参加人数上限:40名(原則として先着順とさせていただきますことをご了承ください)
・エクスカーション申込締切:2024年11月4日
・エクスカーション申込サイト:https://forms.gle/Bf2LQDkPBDz6MjkYA
飛行機について
23日の11時までに那覇空港に到着する便(多数あります)であれば当日の到着でも開始時間に間に合います。到着遅れの可能性もありますので、早めの便で来ていただけると確実です。早めのご予約をお勧めします。
宿泊について
オフシーズンではありますが、宿泊料金を低く抑えるためにも、早めのご予約をお勧めします。今なら1泊1万円前後で宿泊でき、部屋数にも比較的余裕があります。宿泊は那覇市内であればどこでも大丈夫ですが、エクスカーションに参加される方は国際通り、沖縄県庁近辺のホテルをお勧めします。
託児について
- 第70回大会でも学会の託児補助金を活用することができます。託児補助金として、お子さん1名につき1大会1万円を支給します。
- 利用者2名以降は50%(5000 円/人)の支給とします。補助金の支給は、信憑書類の提示と引き換えに、大会終了後、利用者の口座に振り込みます。
- 支給の対象となる託児利用は、大会開催地周辺、利用者の自宅周辺のいずれでも広く認めています。
ご利用される方は11月23日の大会当日までに学会事務局 office[at]jaes.jp ([at]→@に変えて送信ください)にご連絡ください。
また、環境社会学会では、部会や他の参加者に配慮することを条件に、子ども連れでの参加・報告も推奨しています。
お問い合わせ
kuma[at]soci.meisei-u.ac.jp(熊本)まで。 ※[at]を@に変えてください。
開催校担当 山口賢一
研究活動委員会副委員長 熊本博之
自由報告・実践報告の募集(10/8締切・終了しました)
報告申し込み
報告時間:1報告あたり35分(報告20分+質疑15分)を基本としますが、報告数により短縮・変更となる場合があります。オンライン部会は1部会のため、報告数に限りがあります。
申込締切:2024年10月8日(火)(受理確認の先着順となります)
申込方法:下記の宛先へEメールにてご応募ください(両者に同報をお願いします)。
藤川賢 fujikawa[at]soc.meijigakuin.ac.jp
谷川彩月 s-tanikawa[at]uhe.ac.jp
※非会員の方は、申込時までに入会手続きを済ませてください。
※申込締切から1週間程度で担当より受理/不受理の通知を致します。
※会場校で報告予定の方は、あわせて旅程の確保(航空券、宿泊など)をお願いします。
申込時の記載事項:
(1)報告種別(自由報告/実践報告)
(2)報告タイトル
(3)報告者氏名・所属
(4)連絡先(住所・電話・Fax・Email)
(5)報告要旨
(6)使用希望機器(会場によって希望にそえない場合があります)
(7) 報告部会の希望(会場報告/オンライン部会/いずれも可、をお知らせください)
報告要旨の形式:
(1)要旨集は各報告2頁(A4)で組みます。1頁あたり40字×40行で、報告タイトルと報告者氏名・所属を含み、2頁以内に収まるよう字数を調整してください。
(2)報告の応募の際の要旨執筆、および報告原稿作成時において、誤字脱字、内容に関する引用トラブル、フォーマットからの逸脱による報告要旨集作成時のトラブルなどが相次いでおります。ご自身によるチェックの徹底をお願い致します。
(3)要旨集に掲載されたタイトルを報告時に変更することのないようご留意ください。
実践報告について
第62回大会より実践家・NGO・NPOとの連携を推し進めるため「実践報告」を新設しております。環境社会学会の特徴として、現場・現実社会との緊張関係の中での学問的模索の中から様々な展開が得られてきたことがあります。学会大会においても、実践活動をされている方々の報告機会を増やすことで、会員の学的交流・実践的交流を活性化させたいと考えています。従来の自由報告の枠に収まりきらない、実践家、NGO・NPO・行政職員等の立場でご活躍されている環境社会学会会員の実践の取り組みをご報告いただく機会として、ご活用ください。ただし、エビデンスに基づかない報告や政治的主張のみの報告などは、報告をご遠慮いただくこともあります。
大会プログラム
自由報告・実践報告プログラム
11月23日(土)12:30〜15:00
部会A:公害・リスク・開発と地域社会
司会:関礼子(立教大学) 会場:大講義室
- 第1報告〈自由報告〉
生ごみ分別によるメタン発酵施設導入に関する社会的受容性
大塚彩美(東京大学)
兵法彩(東京都市大学) - 第2報告〈実践報告〉
明治神宮外苑再開発の現場から
川俣修壽(ジャーナリスト) - 第3報告〈実践報告〉
倉敷市水島地区における「困難な過去」の学びと戦争遺跡―亀島山地下工場の保全と活用に向けて
林美帆(岡山理科大学/亀島山地下工場を語りつぐ会/みずしま滞在型環境学習コンソーシアム)
除本理史(大阪公立大学)
吉田弘實(亀島山地下工場を語りつぐ会)
村田秀石(亀島山地下工場を語りつぐ会)
大野治(亀島山地下工場を保存する会) - 第4報告〈実践報告〉
福島原発事故における民間伝承施設の利用促進に向けて―地元メディアと連携したガイドブックの作成
除本理史(大阪公立大学/公害資料館ネットワーク)
林美帆(岡山理科大学/公害資料館ネットワーク)
部会B:食をめぐる環境・動物とのかかわり
司会:岩井雪乃 (早稲田大学) 会場:中講義室
- 第1報告〈自由報告〉
台湾油症政策の変遷と「被害」
堀田恭子(立正大学) - 第2報告〈自由報告〉
江戸時代の加賀藩における食環境の広がり―舟木伝内の『料理無言抄』を例にして
ペラージョ・プリエト・ミゲル・アンヘル(京都大学大学院) - 第3報告〈自由報告〉
首都圏における狩猟採集活動の特質と緑地政策に与える影響
榊原真子(京都大学大学院) - 第4報告〈自由報告〉
ヒグマの出没を未然に防ぐ対策はなぜ広まらないのか?―家庭菜園を営む市民のヒグマ出没に関するナラティヴに着目して
伊藤泰幹(北海道大学大学院)
部会C:環境に適応する社会・環境配慮行動
司会:谷川彩月 (人間環境大学) 会場:特別講義室
- 第1報告〈自由報告〉
塩分浸潤に対応する地域社会と生業戦略-ベトナム・メコンデルタの事例
皆木香渚子(京都大学大学院) - 第2報告〈自由報告〉
環境NPOの収益構造と団体の成長との関連―内閣府・NPO法人実態調査の二次分析から
藤田研二郎(法政大学) - 第3報告〈自由報告〉
環境に配慮した行動の類型化及び影響要因の分析
陳艶艶(福岡工業大学) - 第4報告〈自由報告〉
カフェ利用における環境配慮行動に関する分析
バロリセニア(福岡工業大学大学院)
シンポジウム「環境社会学から問う島嶼の軍事化-沖縄、グアム、マーシャル諸島」
【会場:大講義室】
1996年4月に米軍普天間飛行場(普天間基地)の返還が、沖縄県内への代替施設の建設を条件に合意されて以降、沖縄はこの普天間基地移設問題に、政治だけでなく、社会そのものも振り回されてきた。特に2012年12月に発足した第二次安倍政権以降、政府は、県知事選挙をはじめとする様々な投票の機会を通して示してきた、普天間代替施設という名の新たな基地の名護市辺野古への建設を拒絶する沖縄の民意を顧みることなく、建設を進めている。
米軍基地だけではない。南西諸島を「防衛の空白地帯」と位置づけた政府は、2016年3月に与那国駐屯地、2019年3月に奄美大島と宮古島、そして2023年3月には石垣島に相次いで陸上自衛隊基地を建設し、沿岸警備部隊やミサイル部隊を配備した。また種子島の西にある無人島、馬毛島では2023年1月から航空自衛隊基地の建設が進められており、完成後は米軍の空母艦載機訓練の移転が予定されている。
政府はこれらの軍事政策を、中国脅威論や「台湾有事は日本有事」といった言説によって正当化する。そして中央政府に協調的な立場をとる自治体の首長らが、国防への貢献を通して政府との関係を構築し、貢献の対価としての交付金を受領して市民サービスの拡充を図ろうとする動きも顕在化している。
この、沖縄を中心とする南西諸島で生じている一連の事象を捉えるために、軍事化をめぐるシンシア・エンローの議論を参照しておこう。軍事化という現象を「何かが徐々に、制度としての軍隊や軍事主義的基準に統制されたり、依拠したり、そこからその価値をひきだしたりするようになっていくプロセス」(『策略―女性を軍事化する国際政治』p.218)と、物理的な軍事施設の建設だけでなく、文化や価値観の変容まで視野に入れて捉えるエンローの議論は、軍事が社会にもたらす被害を、より広く、深く捕捉することを可能にしてくれる。
そして環境社会学もまた、環境の変容からもたらされる被害を、当事者の生活全般に及ぶ社会的側面から捉える視覚を持っており、エンローの視点と重なり合うところが大きい。加えて環境社会学は、意思決定の力関係の非対称性に着目することで、特定の人びとに被害が集中する社会的メカニズムを描き出してもきた。
この、エンローと環境社会学の視覚を交差させることで見えてくるのは、軍事基地をめぐる様々な事象を通して沖縄が経験していることは、周辺であり、辺境であり、そして先端でもあるという島嶼地域で進展する軍事化がもたらしてきた被害だということである。であるならば、同じように軍事化の被害を受けている、太平洋の島々の経験を共有することは、単なる学問的な関心を超え、社会の脱軍事化を実現するための示唆を得ることにもつながるはずだ。
このような問題関心のもと、本シンポジウムでは、米軍と対峙し続けてきた沖縄を入口に、グアム、マーシャル諸島などの太平洋諸島の島々と結び、島嶼の視点から軍事化を捉え返していく。
まず、島々で進む軍事化の実態を描き出すことを通して、軍事化が島嶼に及ぼす被害を捉えると同時に、島嶼に軍事基地を立地させる加害構造を分析することを通して、共通する課題を析出する。そして軍事化にどう抗ってきたのか、島々の連帯を生み出す可能性もあわせて追求していくことで、社会の脱軍事化の実現に資する議論を展開していきたい。
朝井志步(愛媛大学)
【報告】
- 普天間基地移設問題とは何だったのか-辺野古の28年を振り返る
熊本博之(明星大学) - 「基地の島」の誕生-グアムの戦後復興をめぐって
長島怜央(東京成徳大学) - 核開発に抗う太平洋諸島-マーシャル諸島、北マリアナ諸島、フィジーの現地調査を踏まえて
竹峰誠一郎(明星大学)
【討論者】石垣綾音(株式会社さびら)・茅野恒秀(信州大学)
【司会・解題】朝井志步(愛媛大学)