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┃■┃ 第42回環境社会学会大会(セミナー)(法政大学)のお知らせ
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自由報告+シンポジウム「法によるリサイクル・システムの課題と環境社会学-容器リサイクル法を対象に」
【日時】2010年12月5日(日)10:00~17:00
【場所】法政大学市ヶ谷キャンパス 外濠校舎3階
http://www.hosei.ac.jp/hosei/campus/annai/ichigaya/campusmap.html
【参加費】1,000円
【会場までの交通】市ヶ谷駅・飯田橋駅からともに10分
http://www.hosei.ac.jp/hosei/campus/annai/ichigaya/access.html
【スケジュール】
9:30~ 受付開始
10:00~13:00 自由報告
14:30~17:00 シンポジウム
■シンポジウム(14:30~17:00)
●タイトル:法によるリサイクル・システムの課題と環境社会学
-容器リサイクル法を対象に
●パネリスト
湯浅陽一(関東学院大学)「環境社会学からみた容器包装リサイクルとその課題」
中井八千代(容器包装の3Rを進める全国ネットワーク)「容器包装リサイクル法の問題点と2Rの促進」
織 朱實(関東学院大学、環境法)「10年たった容リ法をめぐる課題の整理~海外制度の比較の視点をいれながら」
司会:篠木幹子(中央大学)
●テーマの趣旨
1995年の容器包装リサイクル法一部施行以来、家電リサイクル法(1998)、食品リサイクル法(2000)、建設リサイクル法(2000)、自動車リサイクル法(2002)の個別リサイクル法が相次いで制定された。政府は、それまでの焼却と埋め立てを中心とした「適正処理」の確保から、廃棄物の発生を抑制し、循環型社会を構築することへと政策の方向性を変えつつある。また、これらのリサイクル・システムの中に「拡大生産者責任」(EPR)を取り入れるなど、行政だけでなく市民や事業者も含めた幅広い主体のあいだで負担を分担しようとしている。
このような基本的な方向性に対する異論は少ないが、リサイクル・システムの内容については検討すべき課題が多い。その中でも、廃棄物の発生抑制を徹底しておらず「大量生産・大量消費・大量リサイクル」のシステムになっている、EPRを取り入れているものの事業者の負担が少ない、自治体など行政側の負担が重すぎる、などの点は各リサイクル・システムの基本的な仕組みに関わる部分である。
また、実際のリサイクル・システムの作動にあたっては、例えば容器包装リサイクル法に関連して、一部の自治体が高値で買い取る中国市場へと回収したペットボトルを売却したり、大量の古紙が市場に出回ることで相場が下落し倒産する業者が出たりするなど、国内外の市場との軋轢も生じている。
多様な主体が連携・協働し、市場と深い関わりを持ちながら、新たな物質の循環を作り上げていこうとするのであれば、多くの課題が生じるのは不可避であろう。これらの課題の検討と解決に関しては、環境社会学研究が取り組むべきことも多いのではないかと思われる。しかしこれまでのところ、法によるリサイクル・システムに対する環境社会学の視点からの研究は極めて少ない。
本シンポジウムでは、環境法学者、あるいは、市民団体関係者として容器包装リサイクル法の制定時から取り組みを続け、現在も改正に向けた動きの最前線にいる2名の報告者を迎えることができた。両名ともリサイクル全般に関して幅広い知見をもっているが、今回は容器包装リサイクルに絞った報告をしていただくことにした。環境社会学とは異なる立場から捉えられた最新動向に対し、環境社会学者の視点、疑問をぶつけながら、望ましい容器包装のリサイクル・システムはどのようなものであるのか、その実現に向けて環境社会学研究が何をなし得るのかについて考えていきたい。
■自由報告(10:00~13:00)
【分科会A】公害と環境リスクをめぐる政策・運動(司会 関礼子 立教大学)
1.食品公害という問題認識――カネミ油症被害をめぐる政策的空白の示唆
宇田和子(法政大学大学院)
2.公式確認から半世紀を過ぎた水俣病被害地域における補償救済制度の構築についての考察
野沢淳史(明治大学大学院)
3.「美容の社会学」はなぜ環境社会学研究か ―飯島伸子における『髪の社会史』(1986)を中心に
友澤悠季(東京大学大学院・日本学術振興会特別研究員PD)
4.アメリカの市街地土壌汚染対策における厳格責任の追及から多様な管理への転換 ――スーパーファンド法制定後30年の現状と課題
安田圭奈江(大阪市立大学大学院)
5.大規模駅開発「シュットットガルト21」反対運動の現在
保坂稔(長崎大学)
6.科学的不確実性を伴う環境リスクに関する予防的法規制に関する研究ーナノテクノロジーを事例にー
中山敬太(早稲田大学)
7.電波による健康影響に対する効果的な環境運動の模索
土器屋美貴子(市民サークルこどもと電磁波)
【分科会B】エネルギー・環境情報・環境教育(司会 野田浩資 京都府立大学)
1.「日本の大学の環境教育」研究の俯瞰とサステイナビリティ学教育プログラムの分析-高等教育の視点から-
内山弘美(茨城大学)
2.地域の担い手を育てる環境学習~秋田県八郎湖流域の小学校を事例として~
谷口光希(秋田県立大学大学院)
3.干潟開発・保全について市民が受け取る環境情報の特性
山下博美(名古屋大学)
4.地球温暖化防止活動における市民セクターとマス・メディアとの「協働」-チーム・マイナス6%の連携支援事業を事例に
福田寛之(一橋大学大学院)
5.中国の家庭用エネルギー需要増加と地域暖房システム導入の課題~ 遼寧省阜新市における事例研究 ~
馮 新玲(早稲田大学大学院)
6.コミュニティ風車および風力発電ファームの導入にかかる欧米のガイドライン概観
藤公晴(青森大学大学院)、丸山康司(名古屋大学)、
西城戸誠(法政大学)、柏谷至(青森大学)
7.風力発電導入における地域住民の問題意識
本巣芽美(東京大学大学院)、丸山康司(名古屋大学)、
飯田誠(東京大学大学院)、荒川忠一(東京大学大学院)
【分科会C】地域資源・廃棄物(司会 谷口吉光 秋田県立大学)
1.ソロモン諸島ウェスタン州ビチェ村における、外部者関与正当性と成員内正当性の相克と地域社会の変容
田中求(東京大学)
2.私有地における湧水施設の共同利用
野田岳仁(早稲田大学大学院)
3.コモンズと廃棄物処理の接合 -宮崎県綾町と宮城県仙台市を事例に-
小川繁幸(東京農工大学)
4.タイ北部農山村地帯における衛生環境事業の実践とその社会的意味の考察~糞尿を資源として活用する循環型社会の形成のために~
安藤公門(山口県立大学大学院)
5.環境政策による生活環境の変容―中国・瀋陽市における廃棄物回収者についての調査研究―
金太宇(関西学院大学大学院)
6.パレスチナ・ヨルダン川西岸地区での廃棄物問題への取り組みにおける地方行政改革と地域社会の変容
吉田充夫(独立行政法人国際協力機構・国際協力専門員)
■大会事務局
会場:西城戸誠、舩戸修一、黒田暁(法政大学)
自由報告:原口弥生(茨城大学)
シンポジウム:湯浅陽一(関東学院大学)、篠木幹子(中央大学)