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■■ 環境社会学会メールマガジン ■■
第51号 2004/11/1
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目次
■ 第30回環境社会学会セミナーのお知らせ
■ 公募情報 1件 関西学院大学21世紀COEプログラム 研究員
■ 助成情報 1件 環境科学総合研究所
■ 国際会議情報 1件 日本学術会議主催 「持続可能な社会のための科学
と技術に関する国際会議2004」
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■第30回(武蔵工業大学)環境社会学会セミナー
【日時】2004 年12 月11 日(土)10:00 〜 17:00(9 時30 分受付開始)
【場所】武蔵工業大学 横浜キャンパス 3号館(講義研究棟)
【参加費】1500 円:参加申し込みは不要です。当日直接会場にてお支払いください。
【会場までの交通】
▼下記のアドレスに地図および案内があります。
http://www.yc.musashi-tech.ac.jp./japan/access/index.html
▼東京方面から電車で:
渋谷から東急田園都市線であざみ野まで行き(急行利用で約20分)、横浜市営地下鉄に乗り換えて1つ目の中川駅で下車してください。
▼飛行機または新幹線で(羽田空港・横浜・新横浜方面から):
羽田空港からはバスで新横浜駅まで行くか、京浜急行で蒲田経由で横浜駅へおいでください。横浜駅へのバスもありますが、降車が東口YCATなので、地下鉄駅まで距離があります。時間的には京急電車が若干早いですが、乗り継ぎは新横浜駅までバスで来られるのが楽です。いずれの場合も、横浜市営地下鉄に乗り換えて中川駅で下車してください。中川駅まで横浜駅からは約25分、新横浜駅からは約14分です。
▼キャンパスは中川駅より徒歩5分です。
【昼食について】
お弁当(600 円程度)が必要な場合は、11月29日(月)までに萩原研究室宛FAX(045-910-2565)でお申し込み下さい。なお、学生食堂は土曜日は休業、周囲にもほとんど食堂はありません。
■スケジュール
受付開始 9:30
自由報告 10:00〜12:50
1. 10:00〜10:30
2. 10:35〜11:05
3. 11:10〜11:40
4. 11:45〜12:15
5. 11:20〜12:50
シンポジウム 14:00〜17:00
■シンポジウム14:00〜17:00
「環境をめぐる正当性/正統性の論理──時間・歴史・記憶──」
パネリスト:細川弘明(京都精華大学)+三浦耕吉郎(関西学院大学)+家中 茂(沖縄大学)
討論者:池田寛二(法政大学)+松田素二(京都大学)
司 会:鬼頭秀一(恵泉女学園大学)
環境社会学の多様な対象を構成する、さまざまなレベルの社会集団あるいは個人が主体となって行なわれる、環境の保全や共存にかかわる活動や運動そして政策、開発に抗して展開されるなにものかを守りたいという運動やその根底にある意識、そのような活動、運動、政策というものは何によって正当化されるのだろうか。それは、往々にして、その主体において共有される「記憶」(負の記憶も含めて)であったり、その主体を構成している社会集団の「伝統」や「歴史」であったりする。「記憶」「歴史」ということがさまざまな活動や運動そして政策の「正当化」として働いているし、また、働くべきだという主張がある。
「記憶」や「歴史」を「進歩」という近代の一つの理念によって置き換えていこうとする論理の中で展開される「開発」に対して、また、「環境保護」の論理に対して、生活者を主体として「記憶」や「歴史」を一つの抵抗の原理として展開する動きを、今までの環境社会学は特に重点的にみてきた。さまざまな意味での環境史的アプローチが注目されてきたのもその流れであろう。
しかし、一方で、ある種の「正統化」された、「記憶」や「歴史」は、その「記憶」や「歴史」を必ずしも共有してこなかった、あるいは共有を拒否してきた人たちにとっては、抑圧として働き、権力作用を持つ。そのことは、「政策」における「合意形成」という場面でしばしば起こる。「合意形成」という問題は「合意」を強いられる側から捉える視点も必要であろう。その時に、それを「正統」化するものとして、「記憶」や「歴史」はまさに権力として働く場合がある。
われわれは、このような視点に立って、「環境」にかかわる多様な活動、運動、政策において、「記憶」や「歴史」というものの「正当性/正統性」というものをどのようなものとして扱い、考えていくべきであろうか。
翻ってみるに、環境社会学の研究は、環境問題の社会学と環境共存の社会学というように便宜的に分類されてきたが、最近は、まるでそれが何か固定的なものとして捉えられ、制度化し、棲み分けされつつあるようにも見受けられる。今回のシンポジウムのテーマは、まさに、その二つの社会学の狭間にあり、理論的にも交差する領域である。また、また,一方で,「環境正義」という,おそらく,現代の環境をめぐる問題の中でもっともホットで重要な主題を議論する際にも,今回取り上げる論点は本質的な問題を構成するであろう。そして、
それは、従来の環境正義にかかわる議論の狭い枠組みを越えて、環境社会学の根幹も揺るがすような問題を提起しているとも言えよう。しかし、現在の環境社会学の中で、なぜか、その領域について議論されることが十分できていない。今回のシンポジウムでは、安易な制度化された環境社会学の棲み分け論を堀り崩すような、環境社会学研究の根本を問う作業をしてみたい。
■自由報告(報告時間20分、質疑10分)10:00〜12:50
【A.公共事業=運動関係とその転換(司会: 足立重和)】
A1 原子力をめぐる政治的対立構造の変化と、政策転換への展望
本田 宏(北海学園大学法学部)
A2 九州新幹線建設における渇水被害対策の成立とその問題点
角一典(北海道教育大学旭川校)
A3 平取ダム建設のアイヌ文化への影響調査について
貝澤耕一(アイヌ文化環境保全対策調査室)、岩崎まさみ(北海学園大学)
A4 参加型会議を市民で検証する
〜「三番瀬円卓会議ふりかえりワークショップ」の実践〜
三上直之(東京大学大学院)
A5 歴史的環境保全運動の〈保存する根拠〉と〈保存のための戦略〉
〜福山市・鞆港保存運動を事例に〜
森久 聡(法政大学大学院博士後期課程)
【B.環境計画と環境観(司会: 平岡義和)】
B1 アフリカ、サハラ南縁地域における家庭の薪消費量の考察
〜改良カマドはなぜ普及しなかったのか〜
石山 俊(名古屋大学大学院博士後期課程)
B2 〈流域像〉構築から自然保全の試みへ〜記憶と経験の共有を通して〜
福永真弓(東京農工大学大学院博士後期課程)
B3 ある二つのムラの関係性とその環境観〜浜の利用をめぐって〜
中川千草(関西学院大学大学院博士後期課程)
B4 私たちと里山との関係性を描き直す
〜里山ボランティアによる調査・計画づくりの現場から〜
松村正治(東京工業大学大学院社会理工学研究科)
B5 景観と土地所有〜「景観法」の分析〜
栗本京子(お茶の水女子大学大学院人間文化研究科)
【C.環境ガバナンスと環境情報(司会: 鳥越皓之)】
C1 おばあちゃんの葉っぱビジネス〜四国の山村・持続可能性への挑戦〜
佐野淳也(「持続可能な開発のための教育の10年」推進会議(ESD−J))
C2 砂漠に木を植えた結果〜砂漠の植林ブーム〜
高津佳史(特定非営利活動法人サヘルの森)
C3 「市民風車」による社会的ネットワークの生成と事業の展開可能性
西城戸誠(京都教育大学)・丸山康司(産業技術総合研究所)
C4 「市民」による公共空間の管理
〜ホロヒラみどり会議・ホロヒラみどりづくりの会の6年〜
平川全機(北海道大学大学院文学研究科)
C5 一般市民は二酸化炭素地中貯留技術に関する情報をどのように受け止めたか
宇野元雄((財)地球環境産業技術研究機構)
森 やす子(情報環境デザイン(株)
■セミナー事務局:萩原なつ子+大塚善樹
武蔵工業大学 環境情報学部大塚研究室
〒224-0015 横浜市都筑区牛久保西3-3-1
TEL: 045-910-258、FAX: 045-910-2605
Email: otsuka@yc.musashi-tech.ac.jp
■担当研究活動委員:中澤秀雄、帯谷博明(会場)+鬼頭秀一(シンポジウム)
+古川 彰(自由報告)
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┃■┃公募情報
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■関西学院大学21世紀COEプログラム、COE研究員募集のお知らせ
http://coe.kgu-jp.com/news/news_2.html
関西学院大学21世紀COEプログラムでは、「『人類の幸福に資する社会調査』の研究−文化的多様性を尊重する社会の構築−」のテーマのもと、以下の研究項目に関して研究業績のある研究員を募集します。
(1)社会構想 幸福に関する政策提言、幸福の数理的定義など
(2)宗教意識と価値 異文化における宗教意識と価値の比較研究など
(3)文化的多様性と暴力 戦争、公害・環境破壊、児童虐待、イジメなどの革新的研究
(4)記録と記憶 データ・アーカイブにかかわる革新的研究、博物館・キュレーターに関する理論と応用
(5)社会調査 調査の思想・効用の検証、手法の革新など
上記いずれの項目に特化するとしても、同時に本学COEプログラム全体のテーマに貢献する視点を備えていることを要件とします。
1.採用期間 2005年4月1日〜2006年3月31日(さらに1年間の雇用更新可)
2.主な業務 上記の研究、ワークショップの開催、シンポジウム開催時の事務局など、COEプログラムに関する業務
3.給与 基本給 月額27万円(昇給賞与なし)
4.諸手当など 交通費、研究費を規程により支給する。
5.社会保険 日本私立学校振興・共済事業団、労働者災害補償保険に加入する。
6.採用条件 年齢40歳未満。博士号を取得、あるいは同等の学力を有するもの。
特別研究員(日本学術振興会)その他のフェローシップ等類似の助成を受けていないこと。本学へ通勤可能な範囲に居住していること。
7.採用予定 若干名
8.応募書類 履歴書、業績書、主要業績(コピー可)3点、応募理由書
(いずれもサイズはA4、様式自由)なお、応募書類は返却いたしません。
9.応募方法 応募書類を関西学院大学社会学部COE研究推進室
(〒662-8501 西宮市上ケ原一番町1-155)へ郵送してください。
10.応募締切 12月10日(金)必着
11.選考方法 書類選考、面接(面接のための交通費は各自ご負担ください。)
12.お問い合わせ先 関西学院大学社会学部内COE研究推進室
0798-54-6655 tfujita@kgo.kwansei.ac.jp
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┃■┃助成情報
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■財団法人 環境科学総合研究所 平成17年度 研究助成募集要項
本財団では、環境科学に関する学術研究を振興するために、大学その他の研究機関に所属する個人またはグループの研究を助成しています。17年度は、下記要領で研究課題を募集します。
記
募集対象となる研究課題は、自然環境・社会環境・生活環境の各分野における「生物多様性 社会環境システム」に関する環境科学的及び社会人文科学的研究とします。
1.助成金は、1件につき年間80万円で、1年助成を4件、2年助成を2件の計6件を採用予定です。(1年間・2年間の希望を記入して下さい。)
2.研究発報告会並びに研究成果報告書の提出は、1年毎に実施し、本財団の「年報」に掲載するものとします。また研究に関する会計報告も1年毎に提出していただきます。
3.申し込みは、氏名、所属機関、役職名、所属機関所在地、電話番号、ファックス番号、メールアドレスを明記して、下記にお申し込み下さい。研究助成申請書をお送りします。
4.応募者の中から研究助成対象外だが、研究課題や将来性などを考慮した、研究奨励金(年間30万円)制度を設けています。若い研究者の応募もお待ちしています。
5.応募の締め切りは、平成17年1月20日とします。
6.申し込み先 〒413-0011 熱海市田原本町9番1号 熱海第一ビル9階
(財)環境科学総合研究所
Tel 0557-84-2388・Fax 0557-84-2398
Eメール kanken@moa-inter.or.jp
7.選考決定通知は、平成17年3月中旬を予定しています。
8.助成金贈呈は、平成17年5月中旬を予定しています。
本件担当 事務局長 西村忠一(連絡先は上記申込先と同じ)
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┃■┃国際会議情報
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「持続可能な社会のための科学と技術に関する国際会議2004」
日時 2004年11月10日(水)〜12日(金)
場所 日本学術会議講堂
参加費 無料(事前登録制)
主催 日本学術会議
共催 国際科学会議、国連大学、国連大学高等研究所
事務局 (株)サイマルインターナショナル内
TEL:03-3539-4502 FAX:03-3539-4533
E-mail mega@simul.co.jp
申込み締め切り: 11月7日
詳細・申し込みは次のサイトへ。 http://www.simul-conf.com/mega/index.html
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□発行 環境社会学会 会長・嘉田由紀子(京都精華大学)
事務局
060-0810 北海道札幌市北区北10西7
北海道大学大学院文学研究科 宮内泰介
e-mail kankyo@reg.let.hokudai.ac.jp
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jses3/
□編集 平林祐子(運営委員 富士常葉大学)hirabayashi@fuji-tokoha-u.ac.jp
□メールアドレス・住所・所属など個人情報の変更、その他のお問い合せは
学会事務局(kankyo@reg.let.hokudai.ac.jp)まで
□年会費の振り込みは、郵便振替口座:00530-8-4016 口座名:環境社会学会
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