2007年環境社会学北京国際会議が、2007.6/29-7/1に中国人民大学(北京)で開催されます。
◆中国での環境社会学会設立を機に開催される重要な会議です
周知のように、深刻な環境問題が顕在化しつつある中国で、いよいよ環境社会学会が設立されます。この分野で指導的な地位にある中国人民大学の洪大用氏らが中心となり、国際社会学会の環境社会学研究委員会のR.マーフィー会長やR.ダンラップ元会長らを実行委員に加え、この国際会議が企画されました。
これまで環境社会学の国際的な動向に触れる機会をあまり持たなかった中国の研究者たちは、この会議を通じて欧米や日本、韓国などの環境社会学の方法論や研究業績を吸収し、中国の現状と付き合わせることで、中国の環境社会学の基礎を築こうとされているようです。その意味で、この会議でどのような報告がなされるかは中国における環境社会学の形成にとって非常に重要な意味を持つ会議となることでしょう。
欧米の環境社会学のみならず、同じく後発産業社会として深刻な公害問題や自然破壊を経験した日本や韓国などアジア諸国の環境社会学的研究が示唆することも、大きいと思われます。またこれを機会に、日中韓などの東アジアの研究者が交流することで、将来の共同研究や比較研究等に道を開くことになるでしょう。すでに韓国環境社会学会からはかなりの参加者が見込まれており、日本からも多くの参加者が期待されています。
◆特に若手研究者が研究の幅を広げるいい機会です
日本からの参加者(報告者)にとっても、中堅の研究者はもちろんのこと、特に若い研究者、大学院生にとって、この会議への参加は以下のような多くのメリットがあると思われます。
・アジア、欧米圏を中心とした海外の研究者に私たちの研究実績を提示し、海外の同様のテーマに関する研究者等との交流の接点を持ち、比較研究のフィールドの発見、共同研究や共同出版の機会を見出すことが可能になり、研究 の視野や規模が広がります。
・国際会議の経験のない方や浅い方にとっても、相対的に非英語圏からの報告者が多いアジアでの会議で報告することは、言葉のハンディはお互い様で、「中身で勝負!」が可能です。(事前に院生等を対象として、報告準備のための研究例会を実施することも考えています。)
・特に若手の研究者にとって、北京やソウルで開催される会議への出席は、経済的な負担が比較的少なくてすみます。
◆幅広い研究テーマでの報告を受け入れたいとのことです
会議の案内には、以下の3つを目標が書かれています。(1)学問分野としての中国の環境社会学の発展を支援すること。(2)中国の環境の現状を国際的な研究者に注目してもらうこと。そして、(3)中国の環境の現状をよりよく理解するための手段として、環境社会学からの洞察を提示することです。中国を直接の対象としていない方も含めて、大局的に中国の環境問題分析や解決に役立つであろう日本国内の事例研究なども大いに歓迎されるようです。
◆スケジュール等は以下のとおりです。
申し込み締め切りは2007年1月15日です。別紙の申込用紙を参照し、タイトルと内容の要約(500語以内)を添えて、事務局(social@ruc.edu.cn)までお申し込みください。3月1日までに最終的に参加者や会議の詳細等が報告されます。フル・ペーパーは、2007年5月15日までに事務局に送付してください。一般参加者には、事務局が1泊90US$以内で参加者全員が宿泊するホテルを指定します。
詳細はこちらに掲載の案内(英語版)をご参照ください。
(環境社会学会会長・寺田良一)