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メールマガジンアーカイブ

環境社会学会メールマガジン 第376号

By 2018年4月30日No Comments

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■■         環境社会学会メールマガジン         ■■
                        第376号  2018/05/01
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目次
■ 第1回環境社会学会奨励賞受賞者のお知らせ
■ 環境三学会合同シンポジウム2018 開催のお知らせ(6月23日開催・6月15日申込締切)
■ 「農業機械がもたらしたもの」研究会開催のご案内(5月27日開催)
■ 第1回「環境と公害」セミナー開催のお知らせ(6月18日開催/6月5日申込締切)
■ 長尾自然環境財団『研究者育成支援プログラム(CGF)』募集のお知らせ(7月31日締切)
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┃■ ┃第1回環境社会学会奨励賞受賞者のお知らせ
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 第1回環境社会学会奨励賞が以下の作品に授与される運びとなりました。
2018年6月の大会(鞆の浦)総会では、受賞者に表彰状と副賞が送られる予定です。
【選考作品】 
 金大宇著『中国ごみ問題の環境社会学——〈政策の論理〉と〈生活の論理〉の拮抗』
 昭和堂、2017年刊行。
【選考理由】
 選考委員会は、推薦委員・会員から推薦された作品のうち、本年度の受賞資格・選考対象
の条件を満たす作品8点それぞれを詳細に検討し上位3点を選び出し、厳正な選考の結果、
全員一致して、本作品を、第1回環境社会学会奨励賞受賞作品に選出した。
 本作品は、現地での5年にわたる困難なフィールドワークにもとづいて、三輪自転車で
住宅街を廻りながら再生資源の回収を行う「回収人(フィソウレン)」、ごみを集めて生計を
立てる「拾荒人(スファンレン)」という、周縁に生きる人びとの生活に焦点をあてて、中国の
ごみ問題を考察した意欲作であり、大変な労作である。
 廃棄物管理の制度に焦点をあて、政策論的な分析がほとんどを占めていたこれまでの
中国のごみ問題研究に対して、本作品は、都市―農村という〈空間〉、〈アクター〉としての周縁
に生きる人びとの生活に焦点をあてる、社会学ならではのボトムアップ的な視点の有効性を
説得的に示し得ている。急速な近代化・経済成長の中で、境界が曖昧化する都市―農村関係、
都市の外延的拡張、住民間の連帯の弱体化、「回収人」」「拾荒人」の出自と役割などが
記述・分析され、都市周辺につくられる「ごみ山」、ごみ山に囲まれる都市・農村・その境界的な
地域など、ごみ問題の中国的コンテキストと内実、制度と実態のズレ、そのズレがどのような
多様な問題群を生み出しているのかが、生き生きとした文体で、迫力をもって活写されている。
 環境問題と、都市―農村関係、農村戸籍、農民工などの、社会の構造的な問題を連結して
考察するうえでも重要な一歩を踏み出しており、中国をフィールドとした環境社会学の新たな
可能性を提起している。ごみ問題における中国的文脈での公論形成の可能性とそこにおける
諸課題、論点を明確化し、「政策論」と「生活論」の接合をめざして、今後さらに研究を深めて
欲しい。
(第1回[2018年]環境社会学会奨励賞選考委員会委員長 長谷川公一)
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┃■ ┃環境三学会合同シンポジウム2018 開催のお知らせ
┗━┛(6月23日開催・6月15日申込締切)
 『SDGs時代の社会デザインを考える:人文社会科学からの新たな挑戦』
 SDGs時代に対する人文社会科学ならではの挑戦のあり方とは?
 現場と向き合い続けてきた環境三学会が、新たな学問の姿とSDGsへの貢献について議論します。
 【日 時】2018年6月23日(土) 13:00〜17:30 (開場12:30)
 【場 所】明治学院大学 白金キャンパス 3号館 3101教室
 【参加費】無料
 【申 込】準備の都合上6月15日までにメールかFAXでお知らせください。
 メール 3gakkai2018@gmail.com / FAX 047-136-4801
 【プログラム】
   開会挨拶 13:00〜13:10    
        谷口吉光(環境社会学会会長/秋田県立大学教授) 
   趣旨説明 13:10〜13:20
        福永真弓(環境社会学会/東京大学准教授)
        富田涼都(環境社会学会/静岡大学准教授) 
 第一部 報告 13:20〜15:40
        蟹江憲史(環境経済・政策学会/慶應義塾大学教授)
        清水万由子(環境社会学会/龍谷大学准教授)
        礒野弥生(環境法政策学会/東京経済大学名誉教授)
 《休憩 15:40〜16:00》
 第二部 パネルディスカッション 16:00〜17:20
 コーディネータ 福永真弓
   パネリスト 第一部報告者、コメンテータ
  コメンテータ 秦康之(環境省環境計画課長)
         川廷昌弘(博報堂広報室CSRグループ推進担当部長)
 フロアからの質問への応答を交えた総合討論
   閉会挨拶 17:20〜17:30
        大塚直(環境法政策学会/早稲田大学教授)
 【趣意文】
  2030年を目標年とした国連の「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals、SDGs)」
 のもと、持続可能な社会の具体的な社会デザインと社会実装が進んでいる。途上国を対象に、
 開発を中心的主題に据えていたミレニアム開発目標(MDGs)と異なるのは、先進国や市場・企業
 が積極的担い手として躍り出たことである。
  しかしながら、SDGsが掲げる目標の政治的決定過程も含め、具体的な目標の妥当性や、目標
 同士の関係性など、具体的な実装と共に論じられるべき点も多い。その意味で、批判的かつ建設
 的に理論と実装の両者を支える学術分野からの貢献が強く求められている。
  本シンポジウムでは、SDGsに対してどのような学問的貢献が可能か、その意義や課題とは何か
 を、それぞれの観点から共有したい。特に、人文社会科学系の環境学が、SDGsという概念とその
 周辺に環境・経済・社会が再編されている状況に対して、どのようなポジショニングを確立できるか
 を論じたい。それは、政策や市場・経済活動、工学的社会実装などとの積極的な結び方を議論する
 ことでもあるが、同時に、実践も含めた具体的な学術的連携の土台をどのように作るか、という議論
 でもあろう。
  これらの問いの背景にあるのは、新しい学問像の展開の必要性である。すなわち、工学的・システム
 論的デザインやシナリオアプローチが先に進む現状の中で、デザインの学としての人文社会科学の
 模索が求められている。本シンポジウムでは以上を踏まえ、国際的な議論を踏まえたSDGsの具体的
 な政策化の試み、環境再生における主体形成や核となる環境民主主義の構想と実現、具体的な公害
 の現場からこそみえる被害救済・環境再生を貫く社会デザインの模索に関するそれぞれの報告を
 手がかりに、SDGs時代に対する人文社会科学ならではの挑戦のあり方について議論したい。
(研究活動委員会)
2018環境3学会ポスター
                                
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┃■ ┃「農業機械がもたらしたもの」研究会開催のご案内(5月27日(日)開催)
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【テーマ】 農業機械がもたらしたもの
【開催日】 5月27日(日)午後13時半〜17時半
【場 所】 大阪産業大学梅田サテライト レクチャールームA/B
      (大阪駅前第三ビル)
      http://www.umeda-osu.ne.jp/floorguide.html
 ※定員80名
 ※参加費・事前申し込み不要
【主 催】日本村落研究学会 村研ジャーナル・関西東海地区研究会/共催
【ゲストスピーカー】
 藤原辰史さん:京都大学 人文科学研究所 准教授
  『トラクターの世界史−人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち』『戦争と農業』ほか著者
   農業機械、トラクターの世界的普及がもたらした事象を読み解く。
  トラクターが生み出したアメリカの土壌侵食、飢饉、戦車の開発、
   ひいてはドイツのファシズムと旧ソ連の共産主義の衝突までを論じる。
【コメンテーター】
 芦田裕介さん:宮崎大学 地域資源創成学部 専任講師
  『農業機械の社会学』ほか著者
   藤原さんの議論に対して、同じ農業機械を日本を歩きながら調査した視点から応答する。
   藤原氏と芦田氏の農業機械の捉え方の違いについて明らかにしながら、農業機械から
   描き出せる事象の可能性と限界について言及していただきます。
【コメンテーター】
 板垣貴志さん:島根大学 法文学部 准教授
  『牛と農村の近代史』ほか著者
   農業機械の前身でもある、役牛を研究してきた板垣貴志氏より、藤原氏、芦田氏の
   農業機械観に対してコメントを頂戴します。両者が農業機械を通して描き出す
   事象に対し、機械が「生き物」を代替するとはどのようなことか、コメントを頂きます。
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┃■ ┃第1回「環境と公害」セミナー開催のお知らせ(6月18日開催/6月5日申込締切)
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 『環境と公害』編集委員会は、『環境と公害』の最新号の特集をテーマに公開のセミナー
を開催することといたしました。今回のテーマは、日本各地で計画されている石炭火力発電
拡大の諸問題です。ぜひご参加ください。
■日時:2018年6月8日18時-20時(最大20時30分)
■場所:明治大学駿河台キャンパス リバティタワー1085教室
 http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html
■参加費
 資料代1000円
 日本環境会議会員、『環境と公害』定期購読会員、『環境と公害』47巻4号を購入済みの方は無料。
■定員:100人
■参加申し込み
 下記より事前にお申し込み下さい。(申し込み締切6月5日午後5時)
 https://ssl.form-mailer.jp/fms/4c7a95da568207
※当日、席に余裕があれば事前申し込みがなくてもご参加できますが、事前申込者を優先いたします。
■司会
 山下英俊(一橋大学准教授、公害研究委員会編集同人)
■内容
・趣旨説明
 大島堅一(龍谷大学教授、公害研究委員会編集同人、『環境と公害』47巻4号編集責任)
・報告
 1. 石炭火力発電を巡る最新動向
  平田仁子(気候ネットワーク)
 2. 被災地仙台港の石炭火力を差し止める
  長谷川公一(東北大学教授、公害研究委員会編集同人)
 3. 神戸における石炭火力発電所新増設問題
  島村 健(神戸大学教授)
 4. ディスカッション
問合せ先 長谷川公一(k-hase@m.tohoku.ac.jp)
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┃■ ┃長尾自然環境財団『研究者育成支援プログラム(CGF)』募集のお知らせ
┗━┛(7月31日締切)
 若手研究者の育成を目的とした『研究者育成支援プログラム(CGF)』について、
平成30年度の申請書の受付を開始しました。
申請書の締め切り日は2018年7月31日と2019年1月31日の2回となります。
詳細は以下の財団ホームページをご参照ください。
 http://www.nagaofoundation.or.jp/index.html
皆様のご応募をお待ちしております。
(長尾自然環境財団)
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□発 行 環境社会学会 会長 谷口吉光(秋田県立大学)
□事務局 アカデミーセンター (株)国際文献社内 環境社会学会事務局
 〒162-0801 東京新宿区山吹町358-5
 E-mail jaes-post〔アットマーク〕bunken.co.jp
□編集・送信 植田今日子(上智大学・事務局長)
□メールアドレス・住所・所属など個人情報の変更は、上記までメールか郵便で
 ご連絡ください。
□メールマガジン掲載依頼(毎月10日・25日締切)、その他のお問い合せは、
 上記事務局までお願いいたします。
□年会費の振り込み先:郵便振替口座:00530-8-4016 口座名:環境社会学会
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