Skip to main content
メールマガジンアーカイブ

メールマガジン-第04号

By 2001年10月15日No Comments

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■         環境社会学会メールマガジン         ■■
第4号 2001/10/15
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
目次
■ 京都環境社会学国際会議における「アジア交流会」のご案内
■  環境社会学会 第24回セミナー
□ プログラム
□ 自由報告要旨
┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃■┃ 京都環境社会学国際会議における「アジア交流会」のご案内
┗━┛
2001年10月15日
呼びかけ人
舩橋晴俊(法政大学)
満田久義(佛教大学)
鳥越皓之(筑波大学)
寺田良一(都留文科大学)
長谷川公一(東北大学)
来る10月21日(日)から、23日(火)の3日間、佛教大学にて京都環境社会学国
際会議が開催されます。その参加者は22カ国にのぼる見込みで、アジア各国から
も9名ほどの環境社会学者が来日する予定です。
この機会に、以下のような形でアジア各国と日本の環境社会学の研究者が交流す
る「アジア交流会」の機会を設定しようと思います。
趣旨:アジアの研究者と日本の研究者の交流の機会を設定し、人的つながりを
豊富化し、今後の研究交流の発展に資するようにする。
日時:10月22日月曜 14:00-14:30(第1回)、および、17:00-17:30(第2回)
場所:第1回・第2回とも、佛教大学 常照ホール5階特別会議室
交流の内容:自己紹介・名刺交換、各自の研究関連情報の交換、自由な懇談
第2回の後に、都合のよい方々の範囲で夕食をとる予定。
参加者の範囲:アジアの研究者を中心とするが、本会議の参加者のうち希望者
は誰でも可。
参加希望の方で、準備が可能な方は、研究交流を深めるのに役立つ資料(英文
論文別刷、英文業績リストなど)をご持参いただくと幸いです。なお、日本語
を読める外国人研究者も少数ながら参加されます。
本交流会についてのご質問は、下記あてにお寄せください。
舩橋晴俊(E-mail: hfunabas@mtj.biglobe.ne.jp)
なお、京都環境社会学国際会議への参加希望の方は、同会議事務局に、
Email(kesc@bukkyo-u.ac.jp)か、FAX(075-493-9032)にて、ご連絡ください。
┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃■┃ 環境社会学会 第24回セミナー
┗━┛
気仙沼市で開催される、環境社会学会 第24回セミナーの日程、自由報告プロ
グラム・要旨などの概略版をお届けします。参加者には別途詳細版を郵送させて
いただきます。
フィールドトリップの船、宿などに若干余裕があります。これから参加を希望
される方は事務局(鬼頭)までお問い合せください。
□プログラム
■開催地 気仙沼市
■日 程 11月2日−4日
11/2(金)委員会
11/3(土)フィールドトリップ、シンポジウム、交流会、朝まで討論
09:30−15:30 大島と唐桑町のフィールドトリップ
16:00−18:00 ミニシンポ(水産振興センター 0226-23-6270)
「地域における環境政策‐市民と行政のパートナーシップ‐」
18:30−21:00 交流会(気仙沼ホテル直営「えびす振舞い」)
あとは、気仙沼ホテル等で、朝まで討論
11/4(日)自由報告
09:00−13:00 自由報告(水産振興センター 0226-23-6270)
■連絡先
セミナー事務局連絡先:
鬼頭秀一 TEL&FAX 042-367-5589
E-mail: kitosh@cc.tuat.ac.jp(当日も可)
開催地事務局連絡先(鬼頭、萩原):
11/2  民宿の連絡先:宿の分宿の状況が決まり次第、メールで連絡いたします。
メールが届かないときには、鬼頭まで連絡ください。
11/3-4 気仙沼ホテル TEL 0226-22-3032 / FAX 0226-21-3015
〒988-0037 宮城県気仙沼市魚市場前3-15
URL:http://www.sugatani.com  E-mail:toshi3@sugatani.com
水産振興センター 0226-23-6270
■費用など
セミナー会費 1,000円
フィールドトリップ交通費 1,000円−1,200円程度
交流会費 4,000円
4日の昼食代 1,000円
大島民宿1泊2食付き 8,000円
気仙沼ホテル 1泊朝食付き 6,520円
サンルートホテル 6,800円
■自由報告プログラム(11月4日 9時から13時)
【A会場】
●第1分科会:地域社会と環境持続性(司会 細川弘明氏)9:00−10:45
1-1 赤嶺 淳(名古屋市立大学) ダイナマイト漁民社会の「持続性」−変わ
るのはわたしたち−
1-2 細田亜津子(長崎国際大学) 山岳民族トラジャ族の環境への新しい取り
組み
1-3 北村也寸志(兵庫教育大学大学院) かつお節焙乾用薪材の供給の現状と
その将来−鹿児島県南薩地区を中心に
●第2分科会:環境問題と環境政策(司会 鳥越皓之氏(予定))11:00−13:00
2-1 青柳みどり(国立環境研究所) 日本における環境をめぐる一般市民とオ
ピニオンリーダーの選好についての比較および考察
2-2 朝井志歩(法政大学大学院) 「フロン回収・破壊法」成立へと至るNPOの
果たした役割
2-3 谷口吉光(秋田県立大学) 環境問題への問題解決論的アプローチ
【B会場】
●第3分科会:農山村の地域づくり(司会 土屋俊幸氏)9:00−10:45
3-1 井村礼恵(東京農工大学大学院) 農山村における郷土食とむらづくり
−山梨県小菅村を事例として−
3-2 小栗有子(東京農工大学大学院) 環境保全型リゾートと地域の共生
3-3 河野直践(茨城大学) 原子力施設の立地問題と地域農業
●第4分科会:環境運動と社会システム(司会 丸山康司氏)11:00−13:00
4-1 川俣修壽(文化通信社) 「サリドマイド事件目録」その2
−研究者はレンツ警告をどう理解したか−
4-2 降旗信一(東京農工大学大学院) ネイチャーゲーム運動の成立にみる自
然保護教育運動の一形態
4-2 櫻井常矢(山形大学非常勤講師) 「森は海の恋人」運動と社会教育実践
−室根村第12区自治会の取り組み−
4-4 笹原健史(東京農工大学大学院) ビーナスライン八島線路線変更運動か
ら学ぶこと
□自由報告要旨
1-1 ダイナマイト漁民社会の「持続性」−変わるのはわたしたち−
赤嶺 淳(名古屋市立大学人文社会学部)
これまで発表者は、フィリピン南西部におけるタカサゴ爆薬漁をとりあげ、漁
獲物の塩干魚加工、その消費の実態調査をおこない、塩干魚の流通が1970年代以
降に顕著となったフィリピン南部における大農園開発にとって不可欠であった点
をあきらかにし、需要があるかぎりにおいて爆薬漁が存続しうる社会的背景を指
摘した。ところが、その後の調査では、爆薬漁よりもハタ類を目的とした釣り漁
業が新たに注目をあつめ、それらは活魚として移出されるようになっていた。本
報告では、爆薬漁から釣り漁業へと変化した経緯を紹介し、そのことの意義を東
南アジア海域世界の文脈のなかでとらえ、資源管理を論じるにあたって地域的特
質を考慮する必要性を指摘したい。
1-2 山岳民族トラジャ族の環境への新しい取り組み
細田亜津子(長崎国際大学)
インドネシア・南スラウェシ州タナ・トラジャ県では、近年ゴミ問題が現実化
してきた。要因は二つある。一つは、国の観光開発施策にともなう観光客の増加、
消費の拡大、諸施設の建設などに伴うゴミの搬出である。また、近代化による商
品の利用拡大がある。これは、トラジャ族の儀礼の場で、儀礼接待の増大と簡便
化が同時に実現可能だかである。このような現実のゴミ問題を少しでも解決しよ
うと新しい試みが始まっている。ゴミの分別化の教育と収集が始まった。水牛や
豚の糞、コーヒー豆皮、草を利用発酵させるバイオアグリの研究と推進である。
このような自発的な努力を多いに評価したい。
1-3 かつお節焙乾用薪材の供給の現状とその将来−鹿児島県南薩地区を中心に−
北村也寸志(兵庫教育大学大学院)
日本における薪炭林は、その役割を終えたとされている。しかし鹿児島県南薩
地区の広葉樹林では、今なお薪の生産が続いており、そこにはかつお節の生産地
である枕崎市と山川町がある。かつお節製造工程のなかの「焙乾」の燃料は、広
葉樹の薪が欠かせず、安定した供給が求められる。本研究では、鹿児島県南薩地
区におけるかつお節と薪を結ぶ「森林利用システム」の構造を明らかにし、シス
テム継続のための方向性を探る。
2-1 日本における環境をめぐる一般市民とオピニオンリーダーの選好について
の比較および考察
青柳みどり(国立環境研究所)
1997年に実施した、日本全国の成人男女を対象とした環境に関する市民調査と、
1999年に実施した企業経営者へのインタビュー調査の結果を比較分析し、その意
見の相違やその要因などについて分析する。
2-2 「フロン回収・破壊法」成立へと至るNPOの果たした役割
朝井志歩(法政大学社会学部大学院)
2001年6月15日に成立した「フロン回収・破壊法」は、法制化の過程でNPOの活
動が重要な役割を果たした。フロン問題を概説し、NPOが官公庁や政治家に対し
ていかなる活動展開をしていったのか、検証する。そして、フロン問題という被
害者が顕在化しにくい地球的規模での環境問題への取り組みが、どのような特徴
を持ち、いかなる困難を抱えていたのかを分析する。
2-3 環境問題への問題解決論的アプローチ
谷口吉光(秋田県立大学)
これまで日本の環境社会学は「被害」の存在を研究の前提としてきた。しかし、
私が研究してきたリサイクルや環境保全型農業などの事例では、被害は前提とさ
れておらず、被害−加害に基づく紛争も見られない。そこでそうした「被害を前
提としない非紛争・問題解決志向型」の事例を研究するために、「問題解決」を
中心においた分析アプローチを構想したので報告する。
3-1 農山村における郷土食とむらづくり−山梨県小菅村を事例として−
井村礼恵(多摩川源流研究所・東京農工大学大学院連合農学研究科)
人間と地域環境との関わりからつくられていく生活様式のなかでも、食はもっ
とも生活の基盤となる。郷土食をはじめとする食に視点を絞り、山梨県小菅村に
おける郷土食の保存に伴う在来種栽培作物の保存、文化伝承との関連、世代間の
現在の食事形態の相違などの調査結果から、自然環境と人間社会との相互関係を
ふまえつつ、農山村における郷土食を核としたむらづくりについて考察する。
3-2 環境保全型リゾートと地域の共生
小栗有子(東京農工大学大学院)
沖縄県読谷村に位置する残波岬一帯は、環境保全型リゾート開発地 として突
出している。この産物は、戦争と基地という村民の共有体験に 基づく村づくり
計画とその実践の論理から生まれてきた。 「海岸の保全と利用は村民と海の関
係がつながってこそ成り立つ」 の哲学が今も生きる。本報告では、外来資本と
地域の協働による 開発史を扱い、リゾートの立地がもたらした新たな課題を取
り上げ、 村の取組みから海岸・海域の保全と利用を考える。
3-3 原子力施設の立地問題と地域農業
河野直践(茨城大学)
原子力施設の立地点では、地域農業の衰退傾向が共通して見られる。一方で、
原発を拒否した地点では農業が伸びている場合が少なくなく、環境保全型農業へ
の転換が意識されている例もある。農業統計と事例の分析をとおして、その実態
や農業衰退の原因・メカニズムを論じるとともに、農業基本政策の吟味に及ぶ。
各地の農業はいま、地域での環境問題対応を一つの分岐として、悪循環に陥ると
ころと好循環の形成に向かうところに分化してきているのではないか。
4-1 「サリドマイド事件目録」その2−研究者はレンツ警告をどう理解したか−
川俣 修壽(文化通信社)
1961年11月18日、当時西ドイツのレンツが「妊娠初期の女性がサリドマイド製
剤を服用すると、胎児に奇形が生じる」と発表した。ヨーロッパは直ちに、同系
薬品の全てを発売中止・回収に踏み切った。同じ情報を日本の研究者は「科学的
信頼性に乏しい情報だ」「このような症例は昔からよく見れられる症例で、遺伝
的因子を重視しなければならない」等と懐疑的な判断を下したため、製薬会社は
販売を続行し、新聞もこれらの研究者の意見を鵜呑みにして被害を拡大させた。
当時の彼らの発言をもとに、なぜこのような間違った判断を下したかを検討する。
4-2 ネイチャーゲーム運動の成立にみる自然保護教育運動の一形態
降旗信一(東京農工大学大学院)
我国の自然保護教育は1957年の「自然保護教育に関する陳述書」の発表以来、
自然愛護精神の涵養として位置付けられており今日に至っている。一方、これら
の流れとの接点を持つネイチャーゲーム運動は「ネイチャーアウエェアネス」
「自然との一体感」「意識や態度の内側から外側への変化」といった独自の理念
のもとで近年広がりをみせている。本発表ではネイチャーゲーム運動の分析を通
し、自然保護教育運動の新しい形態について考察したい。
4-3 「森は海の恋人」運動と社会教育実践−室根村第12区自治会の取り組み−
櫻井 常矢(山形大学・非常勤)
気仙沼湾に注ぐ大川を舞台とした「森は海の恋人」運動における漁民と農民と
の連携の背景とその展開過程について、特に岩手県室根村第12区自治会の活動・
学習に焦点を当て検討する。同村の地域づくりには、2村1地区合併(1955年)や
自治会体制の再編(1982年)等のもと自治公民館を拠点とした社会教育実践の蓄
積がある。植林運動に伴う第12区自治会での環境活動を含む新たな事業活動はど
のように生まれ、地域社会に何をもたらしているのだろうか。
4-4 ビーナスライン八島線路線変更運動から学ぶこと
笹原健史(東京農工大学大学院)
本報告では、観光開発と自然保護の折り合いについて顕著に問題が顕在化した
長野県霧ケ峰のビーナスライン八島線路線変更運動(1968年)を事例に、自然保
護運動はどのような自然を守り、なぜ守るのか、という問いを考察する。その際
に着目したい点はこの運動が地域の歴史的文化財をも巻き込んだ形で展開された
ことである。自然保護運動が時として稀少種を守ることが本質であるかのように
活動しがちな今日において、この運動がどのような意味をもつのか考えてみたい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□発行 環境社会学会 会長・舩橋晴俊(法政大学)
事務局
662-8501 西宮市上ヶ原一番町1-155
関西学院大学社会学部 古川彰
phone & fax 0798-54-1697
e-mail kankyou@kwansei.ac.jp
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jses3/
□編集 宮内泰介(運営委員 北海道大学)miyauchi@reg.let.hokudai.ac.jp
□メールアドレスの変更は
田窪祐子(運営委員 富士常葉大学)takubo@fuji-tokoha-u.ac.jpまで
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Leave a Reply