北海道で、研究例会を開きます。今回は6月の水俣セミナーへ向けての準備という意味も含め、新潟水俣病について、先ごろ『新潟水俣病をめぐる制度・表象・地域』を著した関礼子会員(帯広畜産大学)の報告を受け、議論したいと思います。
皆様のご参加をお待ちしております。(参加の申し込み等は必要ありません。直接会場においでください)
(なおこの例会は、北海道大学「環境と社会」研究会第14回を兼ねております)
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日時:5月14日(水)16:30~18:00
場所:人文・社会科学総合教育研究棟(W棟)517教室
(「人文・社会科学総合教育研究棟」は、文学部・法学部の前に新しくでき た6階建ての建物です)
報告題目:新潟水俣病をめぐる制度・表象・地域
報告者:関礼子(帯広畜産大学)
報告要旨:
新潟水俣病の発生は不知火海沿岸の水俣病を社会問題化する役割を果たしたが、それによって水俣病問題の周辺的な事象という位置づけを持ったという側面は否めない。認定申請をしても棄却される新潟水俣病未認定患者の問題は、さらにその周辺に位置づけられる。
本報告では、新潟水俣病の被害や被害者運動を地域社会を軸に考察し、水俣病を社会問題化するうえで重要な役割を果たした「ミナマタの悲惨」が持つ世論喚起力が、他方で被害を囲いこみ、被害者を潜在させてゆく力につながったことを明らかにする。
また、地域社会は被害を潜在化させた(地域ぐるみの水俣病隠し)だけでなく、被害者が顕在化するための力となった(地域ぐるみの顕在化運動)ことを示す。
(文責・北海道大学・宮内泰介)