環境社会学会震災・原発事故特別委員会 研究例会
「災害に向き合う環境社会学の研究・実践とは:
『東日本大震災と環境社会学研究』から考える」
■企画趣旨:
2018年は、台風や記録的な集中豪雨が頻発し、島根県西部地震・
大阪府北部地震・北海道胆振東部地震など大規模地震災害が続発する
「災害の年」として刻み込まれつつあります。
今どこでどのような災害が発生してもおかしくない、そのような状勢
において、私たちは、どのようにして持続可能な環境と社会のあり方
を考え、実践していけばいいのでしょうか。
環境社会学会では、2011年に震災・原発事故問題特別委員会を立ち上げ、
日本社会学会、地域社会学会、日本都市社会学会とともに社会学系4学会
合同集会や研究会の開催等に取り組んできました。2015~16年度の第3期
震災特別委員会では、東日本大震災以降になされた環境社会学および
隣接諸分野における研究成果を総括した文献目録と研究動向論文の作成
に取り組み、「東日本大震災と環境社会学研究」と題した論文が『環境
社会学研究 第23号』(2017年12月刊行)に掲載されました。
その際には、委員会で震災研究と実践にかかわる「重要キーワード一覧」
を設定するとともに、これまでの環境社会学研究が、東日本大震災後の
社会の分析においていかに受け継がれ展開されているのか、また、新たな
研究課題がどのように生み出されているのかに着目して、研究動向の整理
を行いました。第4期震災特別委員会(2017~18年度)では、この「東日本
大震災と環境社会学研究」から得られることができる知見を受け止め、
これからも発生が予想されている大規模災害にいかに生かすことができる
のかを、研究例会のテーマとして検討します。
今回の研究例会では、まず前半で「東日本大震災と環境社会学研究」の
著者であり、災害研究に取り組んでこられた方々にご登壇いただきます。
「津波被害と生活再建」をまとめられた庄司知恵子氏(岩手県立大学)と
共同研究者の平川全機氏(北海道大学)、そして「暮らしと災害文化」を
まとめられた植田今日子氏(上智大学)の三氏(二組)です。
それぞれ(1)「東日本大震災と環境社会学研究」でまとめられたテーマ
と内容の紹介(2)テーマに関して、昨今の災害が頻発する社会において
環境社会学にどのような議論あるいは実践が求められているのか、について
のご見解(3)これまでご自身がかかわり、調査研究を行ってこられた事例
を通じた論点の提示、をいただきます。
2つの報告を受け、次に環境社会学会から山本信次氏(岩手大学)、
震災特別委員会から金子祥之氏(日本学術振興会)にご登壇いただき、
コメントと問題提起を行います。
後半では、報告者とコメンテーターによる応答、さらに原発事故も含めて
東日本大震災により顕在化した問題、自然環境と生業、「災害(が頻発する)
社会」のあり方、環境社会学が取り組むべき課題等について論じながら、
環境社会学はどのようにして災害に向き合ってきたのか、そしてこれから
どのように立ち向かっていくのかを、フロアー全体で考えます。
■日 時:2018年12月8日(土)13:00 ~ 15:30
(12時30分から受付開始予定)
■場 所:あおぞらビル(あおぞら財団)大阪市西淀川区千舟1-1-1
最寄駅:JR東西線「御幣島(みてじま)」駅11番出口すぐ
http://aozora.or.jp/accesscontact
※翌日の学会大会とは会場が異なりますので、ご注意ください。
■参加費: 無料
■申 込: 不要
■内 容:
〇黒田暁 「ご挨拶と趣旨説明」【5分】
〇庄司知恵子・平川全機 「津波被害と生活再建」【30分】
〇植田今日子「暮らしと災害文化」【30分】
〇コメント: 山本信次【15分】
金子祥之【15分】
【休憩10分】
【総合ディスカッション 最大45分】
開催運営担当委員:黒田暁(長崎大学)、青木聡子(名古屋大学)
会場担当委員:除本理史(大阪市立大学)
■主催:環境社会学会 震災・原発事故問題特別委員会
■問い合わせ先:skuroda(アットマーク)nagasaki-u.ac.jp(長崎大学 黒田暁)