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次回の大会は、下記の通りオンラインにて開催します。

開催概要

【日程】:2020年12月6日(日)
【開催方法】:オンライン開催

【大会スケジュール】
9:00~12:00 自由報告・実践報告部会(3部会)

  • 部会A 食の環境社会学
  • 部会B 環境運動と環境政策
  • 部会C 実践報告部会

12:00~12:30 臨時総会
13:30~16:45 シンポジウム「グローバル・コモディティの環境社会学」

【参加費】無料

【参加申し込み】
以下のフォームから参加申し込みを受け付けます(非会員の方も参加可能です)。自由報告・実践報告における報告者の皆様も、別途こちらで参加登録をお願いします。(グーグル・フォームが開きます)

https://forms.gle/5s7QHaWLA5dFipXd8

申し込みいただいた方に、ZoomのミーティングIDとパスワードを大会直前にお知らせいたします。

託児について

学会の託児補助金を活用することができます。2018年6月の総会で決定したように、

  • 託児補助金として、お子さん1名につき1大会1万円を支給します。利用者2名以降は50%(5000 円/人)の支給とします。
  • 補助金の支給は、信憑書類の提示と引き換えに、利用者の口座に大会後振り込みます。
  • 支給の対象となる託児利用は、大会開催地周辺でも、利用者の自宅周辺でも広く認めています。

ご利用される方は12月6日の大会当日までに学会事務局にご連絡ください。

学会事務局 office[at]jaes.jp([at]→@に変えて送信してください。)

自由報告プログラム

[部会A]食の環境社会学

A-1. 提携における食の社会への再埋め込み:「考える素材」から考察する埋め込まれた関係性の変遷/山本奈美(京都大学農学研究科)

A-2. 地域で食のトランジションを起こす:比較の枠組みと秋田県能代市での試み/谷口吉光(秋田県立大学)・太田和彦(総合地球環境学研究所)・荒樋豊(秋田県立大学)・渡辺千明(秋田県立大学)

A-3. 市民運動と行政の狭間で:食からのトランジション・京都市での試み/秋津元輝(京都大学)・真貝理香(総合地球環境学研究所)

A-4. 市民参加によるフードポリシー構築の順応的プロセスデザイン:食からのトランジション・京都府亀岡市での試み/中村麻理(名古屋文理大学)・岩橋涼(京都大学)・田村典江(総合地球環境学研究所)・秋津元輝(京都大学)

A-5. 戦略的に批判的な声を届ける:食からのトランジション・北信州での試み/Steven R. MCGREEVY(総合地球環境学研究所)

[部会B]環境運動と環境政策

B-1. 社会的実践理論からみる有機農業―物的側面に着目して/藤原なつみ(名古屋大学(院))

B-2. チェンマイ市(タイ)におけるモビリティのトランジションの試み/青柳みどり(国立環境研究所)・Fred Steward(Imperial College London, UK)・Ritsuko Ozaki(University of Winchester, UK)

B-3. 新石垣空港反対運動における集合行為フレームの共鳴と運動の拡大-復帰後の沖縄の社会運動と1980年代「反原発ニューウェーブ」との関係から/斎藤雅史(北海道新聞社・東北大学大学院博士課程前期修了)

B-4. アクターネットワーク理論の脱・人間中心的アプローチとエコロジー/栗原亘(早稲田大学等非常勤講師)

B-5. 気候変動に対する自治体首長の態度と2050年CO2排出実質ゼロ宣言:気候変動政策に関する自治体調査から/辰巳智行(静岡大学) ・中澤高師(静岡大学) ・佐藤圭一(一橋大学大学院) ・野澤淳史(東京大学大学院) ・池田和弘(日本女子大学)・喜多川進(山梨大学) ・小西雅子( WWF Japan) ・トレンチャー・グレゴリー (東北大学大学院)・平尾桂子(上智大学大学院)・長谷川公一(尚絅学院大学大学院)

[部会C]実践報告部会

C-1. SATREPS(Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development:地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)プロジェクト「産業集積地におけるArea-BCMの構築を通じた地域レジリエンスの強化」におけるコミュニティ調査/中須正(チュラーロンコーン大学)

C-2. エネルギーデータ可視化の実践と課題/古屋将太・山下紀明(環境エネルギー政策研究所)

C-3. 河畔林の愛護会活動にニホンミツバチの養蜂を組み合わせて活性化を図る試み:百々水辺愛護会における3年間の取り組みと効果について/吉橋久美子・浜崎健児(豊田市矢作川研究所)・今井菊平(百々水辺愛護会)・近藤悟(寺部小学校地域学校共働本部)・望月建彦(中部日本みつばちの会)・洲崎燈子(豊田市矢作川研究所)

C-4. 環境NPOの活動経験を生かした仕事づくり/松村正治(NPO法人よこはま里山研究所(NORA))

シンポジウム

グローバル・コモディティの環境社会学

報告者:箕曲在弘(東洋大学)、寺内大左(東洋大学)、飯沼佐代子(地球・人間環境フォーラム)
コメンテーター:宮内泰介(北海道大学)、笹岡正俊(北海道大学)
司会:丸山康司(名古屋大学)

趣旨

日本の食料自給率はカロリーベースで37%、木材自給率は37%と低い(2018年度統計)。第一次産業は衰退し、多くの農山漁村で人口減少が加速している。二次的自然は荒廃し、その再生に取り組まれている。また、エネルギー自給率にいたってはわずか12%で、再生可能エネルギーの開発など新たな資源活用が試みられている。

一方、日本の低自給率は、資源・商品の輸入・消費と結びつくため、海外の資源開発と表裏一帯の関係にある。とりわけ、豊かな自然資源を有する途上国では、輸出用の資源・商品の開発・生産によって深刻な環境・社会問題が引き起こされていることが多い。このように日本の資源をめぐる環境・社会の課題と途上国の環境・社会問題は、資源・商品の生産・消費を通して関連していることが少なくないにもかかわらず、これまでの環境社会学はそれらを個別に研究してきたように思われる。以上のような問題意識から、グローバル・コモディティ(国際的に交易される資源・商品)に注目し、生産・加工・消費・廃棄の現場で生じる環境・社会問題を各プロセスの相互関係の中から捉え、その解決策を検討するシンポジウム「グローバル・コモディティの環境社会学」を企画することにした。SDGsの目標に「つくる責任つかう責任」が掲げられているように、このようなアプローチは今後重要になってくると考えられる。

具体的に、本シンポジウムはグローバル・コモディティの生産と消費の中で生じる環境・社会問題を受益圏・受苦圏論を用いて捉える報告と、このような環境・社会問題の解決策として考えられる国際資源管理認証制度とフェアトレードの事例に関する報告から構成されている。事例対象地は、グローバル・コモディティを通した経済的なつながりが強い日本(消費側)と東南アジア諸国(生産側)を主に取り上げる。

国際資源管理認証制度とフェアトレードの取り組みでは、生産地域の資源利用・保全に生産者以外の新たなアクター(商社、NGO、消費者など)が国境を越えて関与することになり、新たな交渉が生まれ、新たな協働・連帯が試みられることになる。これらは環境社会学の研究領域であって、環境社会学が培ってきた理論と実践知が生かされるべきであろう。しかし、途上国の農村地域には地域特有の経済論理や合意形成の仕組みが存在する可能性があり、日本の事例研究を中心に深められてきたこの分野の理論と実践知がどこまで通用するのか注意深く検討する必要がある。

本シンポジウムが「グローバル・コモディティの環境社会学」という新たな分野の可能性を探る機会になると同時に、関連する既存の環境社会学の理論と実践知を相対化し、議論を活性化するきっかけになることを期待している。

(担当委員 寺内大左)