環境社会学会は、2022年1月21日(金)研究例会「新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)が食と農に及ぼす影響 ― 都市と農村に着目して」を開催します。
新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)が食と農に及ぼす影響
― 都市と農村に着目して
2020年1月に国内初の感染事例が確認されて以降、新型コロナウイルス感染症(COVID‑19:以下、新型コロナと記載)は瞬く間に拡大し、社会全体に大きな混乱を招きました。その対応策として「新しい生活様式」が求められるようになり、とりわけ、新型コロナの初期流行が飲食の機会を中心に拡大したと見られたことから、食生活のあり方に対して大きな変化が求められるようになりました。
具体的には、緊急事態宣言の発令とそれに伴う外出自粛や外食産業への規制、テレワークの推進といった理由から、自宅で過ごす時間が増加し家庭での食事回数が増え、そうした中、自身で食材を調達し調理するなど「食を楽しむ」機会が増えています。
他方で、食材調達や調理の回数の急速な増加により、家庭での食材の廃棄(ロス)が増えているといった指摘もあります。こうした需要側の食生活の変化は、供給側である農畜水産物の生産者に対してもさまざまな影響を及ぼしています。
コロナ禍という大きな社会的変化の中で、食生活や農水産業の生産者において起こった変化を把握するために、民間の調査会社や団体等が既に様々な調査を行ってきました。しかしながら、これらの調査は東京都市圏の住民やその食生活、主流のフードシステムを対象としたものが多く、農村部を多く抱える地方や小規模農家における実態について、学術的な調査は進んでいません。さらに「食」と「農」の双方の視点から捉えようとする調査はほとんど行われていません。
そこで、本研究例会では、都市と農村の共通点や相違点に着目しながら首都圏、地方都市およびその近隣地域の住民を対象としたアンケート調査や小規模オルタナティブ農家を対象としたアンケート調査をもとに、コロナ禍が食と農に及ぼした影響について検討します。
開催概要
日時:2022年1月21日(金)13:00 ~ 15:00
会場:Zoom オンライン(※ 参加申込者に、前日までにご案内申し上げます)
参加費:無料
申込:フォームよりお申し込みください(申込締切 1月19日(水))
内容
趣旨説明:藤原なつみ(九州大学)
報告1:冨吉満之(久留米大学)
「新型コロナが日本人の食生活に与えた影響に関する予備的考察―東京・福岡・熊本・大分へのアンケート調査報告」
報告2:藤原なつみ(九州大学)
「新型コロナ禍において『食』の実践はどう変化したか」
報告3:田村典江(総合地球環境学研究所)
「小規模オルタナティブ農家は新型コロナ禍初期にどう感じていたか」
コメンテーター:山本信次(岩手大学)
総合司会:大元鈴子(鳥取大学)
問い合わせ
藤原なつみ(九州大学)fujiwara[at]artsci.kyushu-u.ac.jp
[at]→@に変えて送信してください。