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学会大会

第53回大会(柳川市)最終プログラム

By 2016年5月24日11月 26th, 2021No Comments

第53回環境社会学会大会(柳川市)プログラム
【テーマ】柳川掘割再生の三〇年
【趣 旨】 
福岡県柳川市は、筑後川と矢部川の最下流に位置し、市の南部は有明海の湾奥部に面しています。潮の干満の差が大きい有明海の河川河口部には広大な低湿地(干潟)が形成され、柳川市の大部分は、古くからこの低湿地を開拓・干拓してつくられた大小の干拓地からなります。低湿地(干潟の高い所)に住みついた人々は、土地のかさ上げのために住居の周囲を掘り下げ、その堀に水を引き込んで生活に利用してきました。柳川城下には無数の堀がはりめぐらされ(掘割)、現在でも旧城下町柳川の風物詩となっています。この掘割の水は、農業用水としても重要な意味を持っており、取水門や堰をとおして下流の農村部まで水を送るしくみになっています。
ところが、生活の近代化とともに堀の水と人との関係は疎遠になり、堀の荒廃や水の汚濁が進みました。その中にあって一九七〇年代から八〇年代に登場した柳川市の掘割再生の試みは、水と人の関係の復興が社会の問題でもあることを提起し、全国の自治体の施策、環境運動、住民活動に大きなインパクトを与えました。今大会は、掘割再生がはじまって以後三〇年以上が過ぎた現在、水都と呼ばれるようになった柳川の堀と人との関係はどのように変わったのか、またそこにどのような課題と可能性があるのかを学ばせていただきながら、今後の水環境問題への対処について考えを巡らせることを目的としています。
 エクスカーションおよび地域セッションでは、城下の掘割を散策、および下流の農村部の見学を行った後、掘割再生の活動に長年取り組んでこられた「水の会」会長の立花民雄さん、さらに代表幹事の山口徳雄さんのお二人にお話しをいただく予定です。
日程:2016年6月11日(土)12:30~ 12日(日)17:00
    11日9:00~ 研究活動委員会・編集委員会・国際交流委員会 
    12日21:00~ 理事会 
場所:柳川総合保健福祉セン ター「水の郷」⇒(地域セッション・自由報告) 
    かんぽの宿 柳川 ⇒(宿泊・懇親会)〒832-0057 福岡県柳川市弥四郎町10-1
内容: 11日 エクスカーション、地域セッション、懇親会
     12日 自由報告 総会
参加申込:原則として振込によって参加申込とします。
     *エクスカーション以外については当日参加も可能です。
■スケジュール
6月11日 (集合)西鉄柳川駅(12:30)
     【送迎バス】
     佐賀空港 11:40着の方は、到着口を出たところ(建物内)でお待ちください。
     西鉄柳川駅 到着の方は、12:30までに 改札口にお越しください。
     (1号車12:15分、2号車12:30発予定)
12:40~15:00 水郷めぐり(船上で昼 食)(雨天変更あり)
              水郷地区散策
15:00~16:40 下流農村見学(有明干拓地農村)
17:00~18:30 地域セッション「柳川掘割再生の三〇年」(於:水の郷)           
19:00~21:00 懇親会 (於:かんぽの宿)     
6月12日  9:20 ~17:00 自由報告 (於:水の郷)
9:00 開場予定
9:20~12:15 セッションA-1、B-1 計10本 (午前中)
12:15~13:10 (昼食)
13:10~14:10 (総会)
14:15~16:35 セッションA-2、B-2 計8本  (午後)  
報告:20分 質疑応答:15分
■自由報告プログラム
【セッションA-1】災害と社会の対応 (会場:視聴覚室)9:20~12:15

司会:山本 早苗(常葉大学)
①東北沿岸の海岸災害復旧事業におけるステークホルダーのインタレスト分析
滝澤 恭平(九州大学大学院)   
②震災遺構と復興まちづくりに関する言説分析
――岩手県大槌町の旧役場庁舎を巡って
坂口 奈央(東北大学大学院)
③原発「自主避難」の合理性・相当性をめぐって
除本 理史(大阪市立大学)
④市町村合併と地方自治体の再生可能エネルギー政策
角 一典 (北海道教育大学) 
⑤秋田県における「地元企業参画による再生可能エネルギーの産業化」の動向
谷口 吉光(秋田県立大学)
【セッションB-1】資源管理のガバナンス (会場:研修室)9:20~12:15
司会:丸山 康司(名古屋大学)
①「脱埋め込み」型の生態保護・資源開発・社会発展の諸問題
――新疆カラメリにおける実態調査による社会学的考察
冒 茜茜(法政大学大学院)
② 野生動物管理のための猟区がもつ可能性と課題
――北海道・占冠村における猟区設定過程と地域社会の関係に対する分析から
安田 章人(九州大学)
③インドネシアにおける地域の環境ガバナンスの担い手
――東ジャワ州マラン県環境局職員(廃棄物処理担当)コデリ氏の事例から
青木 武信(千葉大学)
④From Water Cooperative Association to Water Resource Conservation Movement
:A case study of local water governance in Batu, East Java, Indonesia
Rachmad K. DwiSusilo,
University of Muhammadiyah MalangJalan Raya Tlogomas 246, Malang, Indonesia
⑤水資源管理における公正とはなにか
――インドネシア・バリ島の水利組織スバック連合の事例から
○關野 伸之(日本学術振興会特別研究員)・大倉 芙美(東京農工大学大学院)
【セッションA-2】環境問題の構造と射程 (会場:視聴覚室)14:15~16:35
司会:藤川 賢(明治学院大学)
⑥環境正義/公正論の拡張をめざして
寺田 良一(明治大学)
⑦気候変動問題をめぐるマス・メディア報道
――COP15を対象とした日・米・英比較分析
齋藤 さやか (東京大学総合防災情報研究センター)
⑧大規模開発の受益圏内部における支配構造
――諫早湾干拓農地を事例として
開田 奈穂美(立教大学)
⑨諫早湾干拓紛争は、なぜ今も続いているのか
――問題の複雑さと単純さ
樫澤 秀木(佐賀大学)
【セッションB-2】環境への働きかけと生成 (会場:研修室)14:15~16:35
司会:淺野 敏久(広島大学)
⑥生成されるパイン
――パイン缶詰の生産危機をめぐる農家の対話的プロセス
廣本 由香(立教大学大学院)
⑦愛知県豊田市の水辺愛護会の現状と課題について
吉橋 久美子(豊田市矢作川研究所)
⑧魚部って何だ?
井上 大輔(北九州市立大学大学院)
⑨低環境負荷農法の拡大過程
――JAみやぎ登米における「環境保全米運動」を事例として
谷川 彩月(名古屋大学大学院)