環境社会学会は、2023年5月28日(日)に研究例会「環境社会学は遺産化や観光化をどのように扱うのか」を開催します。
環境社会学は遺産化や観光化をどのように扱うのか
趣旨
環境社会学は地域の生活者の立場にたつことを標榜する。そこにおいては、遺産化や観光化といった事象は基本的に外部から地域に押し付けられてくるものとして捉えられ、それに抵抗したりそれを飼いならしたりする地域の生活者の実践がしばしば考察されてきた。本例会でなされる吉村氏の報告も、大枠ではそのラインに沿った内容となっている。
しかし同時に、そこには小さな亀裂がいくつも存在している。例えば、遺産化の枠組みが緩やかである場合はどのように事象を捉えればよいのか、観光が地域の社会構造にすでにビルトインされている場合はどのような視点を持てばよいのか、あるアクターが沈黙させられた結果「うまくいった」場合はそれをどう評価すればよいのか、個々人の間で多様性の存在する実践の場合は遺産化や観光化との関係性をどう論じればよいのか、等々。
「外部からやって来る遺産化・観光化の力 vs 地域の伝統を背負った生活者」という単純な二項対立を超えたところで、環境社会学は何を考え、論じることができるだろうか。主催者もその答えを持ち合わせていない。よって、吉村氏の報告をたたき台にしながら、環境社会学は遺産化や観光化といった事象をどのように扱っていくべきなのか、参加者とともにもう一度考える機会を作ってみたい。
開催概要
日時:2023年5月28日(日)14時~16時
会場:オンライン(Zoom)
※参加を申し込まれた方には、申し込みの締め切り後に参加方法の詳細をメールでお知らせします。
◇参加費:無料
◇主催:環境社会学会研究活動委員会
◇申込:以下のフォームより事前に登録をしてください(5月26日締め切り)。
プログラム
14:00~14:05 趣旨説明
14:05~15:05 研究報告
「生業の遺産化に関する社会学的研究:三重県鳥羽市の海女漁を事例として」
発表者:吉村真衣(三重大学)
15:05~15:10 休憩
15:10~15:40 質疑応答・コメント
コメンテーター①:村田周祐(鳥取大学)
コメンテーター②:平井健文(北海道教育大学)
15:40~16:00 全体討論
◇問い合わせ:
研究活動委員・北島義和:kitajima[at]kpu.kushiro-pu.ac.jp