環境社会学会は、2022年5月14日(土)研究例会「東南アジアの森林資源をめぐるグローバルな商品化と保全の動き ― 環境社会学へのファースト・ステップを考える」を開催します。
東南アジアの森林資源をめぐるグローバルな商品化と保全の動き
― 環境社会学へのファースト・ステップを考える
この研究例会では、環境社会学に関心がある非学会員の若手研究者2名に研究発表をしてもらいます。そして、それぞれの研究を発展させていく方向性としてどのようなものが考えられるのか、そのために参考になりそうな環境社会学の視点や議論としてどのようなものがあるのかといったことを、参加者も交えて議論したいと思います。
本例会の出発点にあるのは、海外、特に開発途上国、でフィールドワークを行なっている研究者の調査結果を聞きたいという興味と、環境社会学に対して興味があるけれども(たとえば学会発表に向けた)第一歩の踏み出し方がよく分からないという人に向けた場を用意したいという気持ちです。環境社会学はこれまで、日本国内だけでなく世界各地をフィールドとしてきました。そして、社会と環境の関わりを扱う様々な学問領域の知を用いてきました。この結果、環境社会学は学際的で自由度の高い学問領域として発展してきました。この点こそが環境社会学の魅力だと思う人も、きっと多いでしょう。その一方で、環境社会学に興味を持つ若手研究者の中には、「どういう研究であれば環境社会学(の研究)といえるのか?」と、疑問を抱く人もいるのではないでしょうか(本例会の企画者が、まさにそうした悩みをかつて抱いていました)。
今回の研究例会では、これまで数多くの環境社会学の論文や書籍で取り上げられてきたボルネオ島/カリマンタン島を舞台に、グローバルな商品化と保全活動の両方の対象となっている森林資源について調査をしている若手研究者に、発表をしてもらいます。調査対象である香木とセンザンコウは、どちらも近年益々グローバルな商品化と保全活動の対象となっており、学会誌の最新号(『環境社会学研究』第27号)で特集が組まれた「グローバル・コモディティ」と言うこともできそうです。
それも含めて、それぞれの調査結果や興味関心からどんな風に「環境社会学らしい」議論を考えることができるのかを、みんなで考えてみたいです。非学会員の方の参加も大歓迎です。多くの方々の参加をお待ちしています。
開催概要
日時:2022年5月14日(土)14:00~17:00
会場:Zoom オンライン((※ 後日、参加申込者に詳細をメールにてお知らせします)
参加費:無料
主催:環境社会学会研究活動委員会
申込:以下のフォームより事前に登録をしてください(5月11日締切)
内容
1. 趣旨説明 目黒紀夫(広島市立大学国際学部)
2. 「ボルネオ島の香木資源をめぐる外来採集者の展開と原産地社会の対応」
- 発表者:佐野洋輔(早稲田大学大学院人間科学研究科/日本学術振興会)
- コメンテーター:赤嶺 淳(一橋大学大学院社会学研究科)
休憩
3. 「カリマンタン島におけるセンザンコウ猟の意味と重要性― 社会的受容性の高い保全に向けて」
- 発表者:澤井 啓(北海道大学大学院文学院)
- コメンテーター:赤嶺淳(一橋大学大学院社会学研究科)
休憩
4. 総合討論
- 進行:目黒紀夫
問い合わせ
研究活動委員・目黒紀夫:meguro-t[アットマーク]hiroshima-cu.ac.jp)