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第66回環境社会学会は、2022年12月10日(土)、11日(日)に開催いたします。従来は冬の大会は1日でしたが、今年の春に実施した研究例会の内容を発展させた形で企画セッションも開催します。12月10日はオンラインで企画セッション、12月11日は自由報告とシンポジウムを法政大学市ヶ谷キャンパスにてハイフレックス形式で開催します。登壇者は原則、会場で報告をしていただき、学会参加者は会場参加とオンライン参加の両方が可能なように準備を進めています。なお、新型ウィルスの感染状況や、会場校の準備の関係で学会開催形式を変更する場合もあります。締め切り日までに参加申し込みがない場合は、学会参加はできませんので、ご留意ください。

プログラム・要旨集(PDF)開催報告

会場(12月11日のみ)

大会スケジュール

12月10日(土):Zoom

  • 15:00〜17:30 研究活動委員会・企画セッション:「熱帯林地域における住民の資源利用と保全の模索:カメルーンにおける実践研究プロジェクトの試みから」

12月11日(日):ハイフレックス形式

  • 9:00~12:00 自由報告
  • 13:00~17:00 シンポジウム:『「ソーシャル・イノベーションの時代」の環境社会学―環境問題の創造的解決とは何か?』

開催形式・参加方法についての連絡(重要)

第66回環境社会学会大会の2日目(12/11)は、対面とzoomのハイフレックスを予定しています。大会開催校(法政大学)からの中止要請があった場合や、新型コロナウィルス感染状況が急速に拡大した場合はオンライン開催に変更します。変更の際は、メールマガジンや学会HPでご連絡いたします。特に遠方の方にはご不便、ご面倒をおかけしますが、ご寛恕いただければ幸いです。

なお、自由報告を予定している方が、所属組織や居住地域の自治体の要請などにより対面での報告ができなくなった場合は、オンラインでの報告への切り替えを検討しますので、自由報告受付担当者に連絡をお願いいたします。

また、対面での開催に際して、事前の申し込みを必ず行ってください。当日の受付は行いません。開催校側から事前の参加者確認の徹底を厳命されています。これを破ると今後、会場貸与ができなくなるばかりか、環境社会学会の評判を傷つけることになりますので、身勝手な行為は厳に慎んでいただくようお願い申し上げます。

今回から大会費徴収に関してオンライン決済を行っております。どうしてもオンライン決済ができない方は特別に対応しますが、こうした個別対応は学会受付事務に一定以上の負荷がかかることを勘考していただき、改めて円滑な学会運営にご協力をいただくようお願い申し上げます。

参加申し込み窓口(終了しました)

第66回環境社会学会大会の参加申し込みは、下記のサイトからお願いいたします。終了しました。

参加申し込みフォーム(登録終了)
  • 申込期限は、2022年12月7日(水)23:59までです。これ以降の申し込みはできません。
  • 事前受付していない方は会場参加、zoomともに参加できませんので、ご留意ください。
  • 参加費は正会員2000円、学生会員0円、非学会員3000円となります。
  • 会費の徴収はクレジットカード決済となります。クレジットカード決済ができない方は、大会参加受付までご連絡ください。(大会参加受付:jaesweb21[at]gmail.com([at]を@に変更してください))
  • 決済後に参加をキャンセルしたい方は、12月7日(水)までに大会参加受付までご連絡ください。なお、キャンセル料がかかりますので、ご容赦ください。(キャンセル料は、決済プラットフォームの価格改定があり、
    12月1日PM0:00以降は6%、それ以前は5%で適用されます)

◇ 領収書、ネームプレート、参加証明書について

  • クレジットカードでの決済が終了すると、登録したメール宛に受付情報が届きます。
  • 領収書とネームプレートは、該当箇所をクリックしていただければpdfファイルがダウンロードできます。
  • ネームプレートを入れるケースについては、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、会場では準備できません。各自、お持ちいただければ幸いです。
  • 参加証明書については、当日の参加確認ができた場合に発行できます。
    なお、zoomでの参加者の方は、参加確認が漏れてしまう恐れもあります。
    参加証明書が発行できない場合は、後日、大会参加受付までご連絡ください。

◇昼食について
本大会では、昼食の準備はいたしません。各自、持参していただき、当日は距離をとりながら黙食をお願いいたします(会場校の学生と同様の扱いでお願いいたします)。なお、会場の1階にはコンビニエンスストアがあります。

託児について

2018年6月の総会で決定した学会の託児補助金を活用することができます。

  1. 託児補助金として、お子さん1名につき1大会1万円を支給します。利用者2名以降は50%(5000 円/人)の支給とします。
  2. 補助金の支給は、信憑書類の提示と引き換えに、利用者の口座に大会後振り込みます。
  3. 支給の対象となる託児利用は、大会開催地周辺でも、利用者の自宅周辺でも広く認めています。

ご利用される方は12月10-11日の大会当日までに学会事務局 office[at]jaes.jp ([at]→@に変えて送信してください。)にご連絡ください。

自由報告・実践報告募集(11月20日締切・終了しました)

今大会の自由報告はハイフレックス形式で開催しますが、原則、報告者は会場で報告していただきます。やむを得ないご事情で対面による会場での報告が難しい場合は、応募申込みの際にご相談ください。

第62回大会より実践家・NGO・NPOとの連携を推し進めるため、「実践報告」を新設しております。環境社会学会の特徴として、現場・現実社会との緊張関係の中での学問的模索の中から様々な展開が得られてきたことがあります。学会大会においても、実践活動をされている方々の報告機会を増やすことで、会員の学的交流・実践的交流を活性化させたいと考えています。従来の自由報告の枠に収まりきらない、実践家、NGO・NPO・行政職員等の立場でご活躍されている環境社会学会会員の実践の取り組みをご報告いただく機会として、ご活用ください。ただし、エビデンスに基づかない報告や政治的主張のみの報告などは、報告をご遠慮いただくこともあります。

◇ 自由報告・実践報告の募集

  • 1報告あたり35分(報告20分+質疑15分)を基本とします。
  • 報告者は原則、会場(法政大学市ヶ谷キャンパス)で報告していただきます。
  • 報告数により報告・質疑時間が変更になる場合があります。
  • 報告の申込みは(第一)報告者が会員である必要があります。
    非会員の方は申込時までに入会手続きを済ませてください。
  • 年会費の未納期間がある場合は報告できないことがあります。ご注意ください。
  • 申込締切から1週間程度で担当より受理/不受理の通知を致します。

◇ 申込締切

  • 2022年11月20日(日)

◇ 申込方法

下記の宛先へEメールにてご応募ください。

北島義和(釧路公立大学) kitajima[at]kushiro-pu.ac.jp
廣本由香(福島大学) hiromoto[at]ads.fukushima-u.ac.jp
※いずれも[at]を@に変えてください。

◇ 申し込み時の記載事項

(1)報告種別(自由報告/実践報告)
(2)報告タイトル
(3)報告者氏名・所属
(4)連絡先(住所・電話・Fax・Email)
(5)報告要旨(※以下の注意事項をご確認のうえ、Wordファイルでご提出ください)
(6)使用希望機器(会場によって希望にそえない場合があります)

◇ 報告要旨の形式

  • Wordファイルでご提出ください
  • 要旨集は各報告2頁(A4)で組みます。1頁あたり40字×40行に設定し、報告タイトルと報告者氏名・所属を含めて2頁以内におさまるように字数を調整してください。
  • 応募の際の報告要旨および要旨集における誤字脱字や引用トラブル、要旨集作成時におけるフォーマット・エラーのトラブルなどが相次いでいます。応募時に提出された報告要旨の差し替えや修正は認められませんので、ご自身によるチェックを徹底してください。
  • 要旨集に掲載されたタイトルを報告時に変更することのないようご留意ください。
  • Wordでの提出が難しい場合はご相談ください。

◇ 自由報告・実践報告に関するお問い合わせ先

北島義和(釧路公立大学) kitajima[at]kushiro-pu.ac.jp
廣本由香(福島大学) hiromoto[at]ads.fukushima-u.ac.jp
※いずれも[at]を@に変えて送信してください。

プログラム

研究活動委員会・企画セッション「熱帯林地域における住民の資源利用と保全の模索:カメルーンにおける実践研究プロジェクトの試みから」

報告者

  • 安岡宏和(京都大学)
  • 本郷峻(京都大学)
  • 戸田 美佳子(上智大学)
  • 平井將公(京都大学)

コメンテーター

  • 梶光一(兵庫県森林動物研究センター/「野生生物と社会」学会)
  • 笹岡正俊(北海道大学)
*本セッションは、「在来知と生態学的手法の統合による革新的な森林資源マネジメントの共創」プロジェクト(SATREPS)、「野生生物と社会」学会との連携開催です。

自由・実践報告プログラム

12月11日(日)9時~12時、ハイフレックス形式

部会A:環境社会学の実践と方法

司会:丸山康司(名古屋大学)

第1報告〈実践報告〉
学生主体のエコボランティア活動―リコラボコウベ1年間の取り組み
松村淳(関西学院大学社会学部/Re.colabKOBE代表)

第2報告〈実践報告〉
市民向け講座における環境運動のパブリックヒストリー実践:1980-90年代に拡大した環境保全活動の意味解釈に向けて
松村正治(中ヶ谷戸オフィス)

第3報告〈実践報告〉
公害資料館における多視点性と協働
林美帆(水島地域環境再生財団/公害資料館ネットワーク/佛教大学)
除本理史(大阪公立大学/公害資料館ネットワーク)

第4報告〈自由報告〉
福島第一原発事故後の研究者からの発信は多様だったか? ――研究者ネットワークと発言内容との関連に注目して
立石裕二(関西学院大学)

第5報告〈自由報告〉
宇宙環境社会学の課題と方法
岡野内正(法政大学社会学部)

 

部会B:エネルギー・モノ・生物をめぐる環境社会学

司会:山下博美(立命館アジア太平洋大学)

第1報告〈自由報告〉
日本における石炭の地産地消の現況とその経緯
清水拓(早稲田大学文学学術院)

第2報告〈自由報告〉
「卒原発」のための再生可能エネルギー導入促進とその課題ー山形県庄内地方の風力発電事業を事例としてー
平春来里(名古屋大学環境学研究科社会環境学専攻)

第3報告〈自由報告〉
原発事故被災地における避難指示解除が商工事業者の事業再開に与える影響
高木竜輔(尚絅学院大学)

第4報告〈自由報告〉
不安定性と共生のエスノグラフィーー福島原発事故後の海を事例に
高橋五月(法政大学)

第5報告〈自由報告〉
現代社会におけるモノの所有とごみとしての廃棄――フリマアプリ利用者へのインタビュー調査から
梅川由紀(神戸学院大学)

第6報告〈自由報告〉
希少種センザンコウ猟の社会的受容性の高い保全策:インドネシア北カリマンタン州S村の事例から
澤井啓(北海道大学大学院文学院)

※発表は報告時間20分・質疑時間10分です。通常、質疑時間15分としておりますが、プログラム時間と報告数の都合上、今回は質疑時間を10分へと変更させていただきます。

大会シンポジウム「ソーシャル・イノベーションの時代」の環境社会学―環境問題の創造的解決とは何か?

イノベーションが社会課題を解決する。環境問題の解決をめぐってもこの言葉がかつてなく頻繁に用いられるようになった。「ソーシャル・イノベーション」と呼ばれる潮流もそのひとつである。

従来、とりわけ環境問題をめぐっては、政策の強化が問題解決にとって重要だとされてきた。今もその重要性は少しも失われていないし、働きかけも不可欠だ。だが、イノベーションに問題解決を委ねるということは、テクノロジーや市場、あるいは取引制度や組織の変革も、問題解決の装置として重要な機能を果たすことが期待されるということである。実際今、大小を問わずさまざまな企業から金融機関、あるいはまたNPO・NGOまで、テクノロジーの開発や定着、あるいは開発競争の活性化を模索し、またサプライチェーンや業界単位で、取引関係に様々なルールを構築する動きもみられるようになった。そしてそれと同時に、その進捗の最中でさまざまな課題が浮かび上がってきている。

このようにして、従来であれば環境問題の解決の担い手とはみなされる機会は少なかった経済主体もまた、否が応でも環境問題と向き合わなければならない現実に対して、われわれは、これを議論できるだけの概念装置や、視点、あるいはデータ収集の方法を十分に持ち合わせているだろうか。

当然ながら、本企画の意図は、単にこの潮流に共鳴すべきだとか、受容すべきだということではない(もちろん、「強いられた現実」として否定すべきだということでもない)。そうではなくて、イノベーションの役割や限界を論じるにも、問題を発見し、一般化して理解するための視点や概念を携えて進めていくことが必要であり、まずは今、どのような持ち合わせがあるのかを確認することが重要だということである。

同じイノベーションという言葉を用いるとしても、その動きを一つの定義で括れるような取り組みや現象ではなく、進捗の速度も規模も多様であり、また解決の定義も共有されていない。思いもよらない解決策を提示し、目標を上回る成果をあげていくアクターもいれば、理想を掲げて問題の創造的な解決に挑むも、組織の中で、あるいは業界として取り組むがゆえの限界に直面し、葛藤する「イノベーションの担い手たち」も数多く存在する。ビジネスセクターが社会問題を引き起こし、それを社会運動セクターが解決するという旧来型の思考フレームでは、「ビジネス」自体がイノベーションや社会貢献に資する現象を捉えることができない。そうした、企業や業界という社会的世界に属するアクターたちの試行錯誤の日常に生まれる問題関心、課題意識、あるいは成否の分水嶺にアプローチすることで、環境問題の解決をめぐる、これまでとは異なる構造的な問題の在り処を発見することができるのではないか。

幸いにして、昨今の環境社会学では、広い意味でのイノベーションをめぐる研究が萌芽的に立ち上がりつつあり、成果も生まれつつある。今回のシンポジウムでは、そうした研究の問いや分析をシェアしながら、イノベーション、あるいは「ソーシャル・イノベーション」の時代に対して、環境社会学がどこに議論の糸口を見出したらいいのか、ディスカッションしていきたい。

登壇者

解 題:大倉季久(立教大学/編集委員)

報告者:

  • 大元鈴子(鳥取大学)
  • 大門信也(関西大学)
  • 古屋将太(環境エネルギー政策研究所)
  • 高橋勅徳(東京都立大学)

司 会:西城戸誠(早稲田大学/研究活動委員)

第一報告:大元鈴子 「水産物のエコラベルから振り返る資源管理認証におけるイノベーション」

国際的に取引される資源に対する持続可能性認証制度は、1993年設立のFSC認証に始まり、90年代後半には水産物を対象としたMSC認証、そして2010年の養殖水産物のASC認証へと続く。この間、水産物の国際認証制度は、「創成期」「乱立期・定着期」「業界標準化期」を経て、2010年代からは同業者同士による認証取得のための相互サポートである「前競争的協働」のツールへとそのポジションを変えてきた。水産物に対するエコラベル商品は、国内外の小売企業の供給ポリシーによる増加も多く、自然保護団体と企業の関わり方も変化させてきた。本報告では、国際的水産物認証が今後どのような役割を担うのか、また、水産物の地域化の動きについても議論する。

第二報告:古屋将太 「B Corp Movement におけるコレクティブアクションの可能性と課題」

本報告では、B Corp Movement におけるコレクティブアクションの可能性と課題について議論する。2007年に米国ではじまった B Corp認証は、「ガバナンス」「ワーカー」「コミュニティ」「環境」「カスタマー」の5つのカテゴリで企業の実践とアウトプットを問い、評価する仕組みであり、これまでに世界で約6,000社の企業が認証されている。「B Corp 相互依存宣言」のもと、目指すべき「より良い社会像」を共有する B Corpたちは、気候変動やジェンダーなど、業界を横断してコレクティブアクションを展開している一方で、近年、取り組みのスケールアップにともなって内外から批判の声も散見される。このようなB Corp Movement の動きを踏まえ、萌芽期にある日本の B Corp Movement への示唆を探る。

第三報告:高橋勅徳 「交渉と応答のプロセスとしてのソーシャル・イノベーション」

ソーシャル・イノベーションは、市場のダイナミズムを生み出す企業家精神を利用し、社会問題に対して新たな解決を創造する諸活動として捉えられてきた。本報告では、私的利潤を求める企業家精神が、いかに社会問題に接続されソーシャル・イノベーションに昇華されていくのかについて、林業の6次産業化事例をもとに利害関係者の関わりの中で営利事業がソーシャル・ビジネスへと変化していく交渉と応答のプロセスとして捉えていく。

第四報告:大門信也 「地域自治をめぐるソーシャル・ファイナンス・イノベーションの可能性:東近江三方よし基金を事例に」

本報告では、「ヒト・モノ・カネのローカルな循環をつくる」ことを目的として2017年に設立された「東近江三方よし基金」をとりあげる。同基金は、滋賀県下でソーシャル・ビジネスやコミュニティ・ビジネスなどの事業型非営利団体が多く活躍している現状をふまえ、寄付金にもとづく助成事業、地域版ソーシャル・インパクト・ボンド助成事業、独自の制度融資事業、および休眠預金活用事業等を併走させながら、これら地域づくりの担い手に適切に資金をまわす役割を担おうとしている。本事例をつうじて、ローカル・ファイナンスを軸とした地域の「信用」をめぐるイノベーションが、ローカル・ガバナンス(地域自治)を築いていく営みでもあることを論じる。